FULL MOON 5 (ページ7)

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囲まれたらしいページ7

☆シウside

これは何だ？

「こんにちは〜。私、前からFULL MOONのファンで〜。」

「シウくん、」

日本の音楽番組のスタジオに入ると、衣装を着た女の子達に囲まれた。
日本語は理解できるけど、俺達が囲まれる意味がわからない。
距離が近いし。
しかも、きゃあきゃあ、煩い。
韓国でこんなことはなかった。
どうすればいいのか？
チラリとAを見れば、彼女は、男共に囲まれている。
え、マジ？

「A、괜찮아요(大丈夫)？」

慌てたジュノが、Aの傍に行き、声をかける。

「ケンチャ…？」

「何いってんの、コイツ。」

「邪魔すんなよ。」

Aに声をかけていた男共は、韓国語がわからないみたいだ。
で、俺達が日本語がわからないと思ってるらしい。

「はいはい、君達、Aに集らない。」

そう俺等の後ろから声がして振り向けば、これまたイケメンがいた。

「あ、涼介くん。」

「A、大丈夫？ってか、メンバー皆、大丈夫？」

Aが、"涼介くん"と呼んだ彼は俺達も気にしてくれたみたいで、彼が視線をめぐらせば、俺たちの周りにいた人たちを、スタッフらしき人が、連れて行ってくれた。

「助けに入るの遅くなったね。ごめんね。」

Aの頭を、撫でる"涼介くん"。

「大丈夫。びっくりしただけ〜」

Aは、のんびりと返していた。
韓国なら、彼女は、もっと警戒してる。
ホームだからか、ピリピリした感じはないな。

「あのね、涼介くん、メンバー紹介するよ。シウ、ソジュナ」

Aに呼ばれたから、ソジュナと彼女のところへ行き、自己紹介と助けてもらったお礼を言った。

「へぇ。日本語べらべらなんだね。凄いな。」

そう言う涼介くん。
彼は日本のアイドルだった。
それ以降、彼が色々手を回してくれたみたいで、囲まれることはなく、無事、音楽番組の出演が終わった。

「今日はありがとうございました。」

そう、彼にお礼を言うと、

「いえいえ。お亮に頼まれてたし…久しぶりにAに会えたし。」

そう言ってウインクする"涼介くん"は、

「まぁ、Aのホームで無体はないと思うけど、何かあったら言ってね？シウくん。またね〜。」

手をふって行ってしまった。
彼は、なかなかに意味深な言葉を残していった。

…