FULL MOON 5 (ページ48)

今日:20 hit、昨日:26 hit、合計:82,348 hit

耐性有りなのに。ページ48

☆JEONGHAN side

「私はダンス、しないんで。」

ニコリと笑っていう彼女にうちのメンバーは絶句した。
ダンスをする、しないの問題じゃないよ？

「あ、流石にアクロバットする時は入ってないやつ履きますけど。」

「それって皆で履いてるの！？」

彼らの足元に視線を向けたシュアが聞く。

「俺は基本履きませんね」

シウは苦笑して答える。

「僕も履いてない。力がないAとジュノはよく履いてるけど…」

ソジュンはそう答えて視線をジュノへ向けた。

「身体鍛えてるし、俺もそろそろ卒業じゃない？」

シウとソジュンに視線を向けて言うジュノ。
と、言うことは鉄板入の靴はAだけが履いてるってこと？！

「何かあった時、武器になるからなぁ。」

なんでもないことのように言うA。

え、武器！？

「武器って必要？」

首を傾げてジュンが聞くと、FULLMOONのメンバーは視線を合わせて苦笑いした。

「バンドマンは血の気が多いので。」

「上品じゃないし。」

「自分で身を守れないと…ねぇ？」

シウ、ソジュン、ジュノが言う。

え、バンドマンってそんななの？と驚いていたら、

「…なんちゃって！？」

ニコっと可愛らしく笑ったAに全部持ってかれた。

"なんちゃって、だって。"
"うわ、マジ可愛い。"

ぽつぽつとうちのメンバーがAにヤラれてる。
アイドルを自分の沼に落とすって相当な手練れじゃない？
彼女、どちらかといえば格好良い路線だから、普段から愛嬌しないし、苦手みたいなのにコレはヤバい。

危機感を感じた。
うちのメンバーは同業者に絆されない程度には耐性があるはずなのに…。
皆が皆、Aの持つ魅力に惹かれつつある。
マズいかもしれない。

「さ、移動するぞ。お疲れ様でした。」

俺達の雰囲気に何かを感じ取ったのか、FULLMOONのマネージャーは、そう言って彼等に声をかけた。

「「「「お疲れ様でした」」」」

そう言ったFULLMOONのメンバーはあっという間に帰って行った。
撤収が早いとは聞いていたが、本当に早かった。
もっと話したい、もっと仲良くなりたいと思ったのはこちら側だけ。
事実メンバーはそう口にしていた。
あっちはあっさりと帰って行ってしまった。
連絡先さえ聞かれなかった。

「なんだかなぁ。」

ポツリとシュアが呟いた。

「ビジュ担もスルーされましたね。」

ディノが呟く。
誰に？って決まってる。
彼女はなんなんだろう？

…