FULL MOON 5 (ページ43)

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ゲストページ43

☆DN side

「マジックは殆ど驚異的な身体能力があればできるんだよ。」

そう僕に言って爽やかに笑うFULL MOONのジュノ。

「え、あ、えっと…」

「だからさ。俺には出来る！」

そう言い切る彼は自信満々だけど、

「いや、その…」

こんな小さな窓からの脱出は無理だと思う。
何故か、事務所の倉庫に閉じ込められてしまった俺達。
倉庫は唯一有る扉が開かなくて、扉の他は小さな窓しかない。
そして使われていないのか、ここにはひとけもない。

「肩はずしたら、通れるんじゃね？」

ぶつぶつ言う彼は本気で窓から脱出しそう。
開かないけど扉があるのに何故窓なんだ。と思いつつ、

「え、と、とりあえずジュノ氏、落ち着いて。肩外したら、戻しても今後のパフォーマンスに支障が出る。」

と言えば、驚いたように僕を見るジュノ。

「パフォーマンス、ねぇ。」

小さく呟いて、

「じゃあ、どうする？」

と僕を見た。

どうしたら良いんだろう。
ポケットに手を突っ込めば、自分のスマホが入っていた。
誰に助けを求めるのが正解なんだろうか。

「ねぇ、こう言う時に頼りになるのは誰？」

ジュノの囁きに12人のヒョン達を思い浮かべた。

▽

WONWOO side

SEVENTEENの冠バラエティ番組の収録現場。
今日ヒョン達は、というか俺自身もかなりテンションが高い。
その理由は、ゲストにある。

「俺のおかげ(・・・)でしょ〜！」

ニコニコ顔で言うハニヒョン。

「いや、僕のおかげじゃない？」

負けじとシュアヒョンも言う。

「FULLMOONを呼んで欲しいって言ったのは俺だよ？」

クプスヒョンも二人にそう言って、3人はいつもの如く言い合いをしている。

ヒョン達は、BTSの95's繋がりでFULLMOONと仲良くなり、今回この番組のゲストに彼らを呼べた、らしい。

番組収録前に、挨拶が出来れば良かったんだけど、彼らの前の仕事が押したとかで挨拶はできず、不毛なヒョン達の言い合いが始まって…。

彼らと仕事できることに浮足立ってしまうのは仕方ない。
FULLMOONと仲良くなりたいなぁと思っていたから、彼らを呼べたのは誰のおかげでもどうだって良い。
今回の番組で彼らと出会うきっかけを作ってくれたことに感謝している。

…