FULL MOON 5 (ページ40)

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日本のヒョンページ40

☆シウ

『シウ、腹減った』

いきなり電話をかけてきたヒロヒョンは開口一番にそう言った。
国際電話をかけてきてそれはないよな。
俺にどうしろと？
なんて思ったけれど、このヒョンは、意味のない電話はかけてこない人だった。

「今どこですか？」

と聞けば、なんとこっちに来ていたらしい。
慌てて、ホテルに向かった。

なんでもいい。とヒョンは言うから、俺の行きつけの個室レストランへ連れて行った。

「相変わらず、高そうな店、知ってるよな。…俺、払えるのか？」

眉を寄せて呟くヒョン。
ここは俺の行きつけだし、

「いやいや。ここは俺が払いますって。」

と返せば、彼の眉は更に寄る。

「えぇ、年下に奢られるって俺ヤバくない？」

「ヒョンはAに出してあげてください。」

「えぇ、じゃあ、シウ達が日本に来たら、俺が出すよ。」

そう言って譲ってくれるヒョン。
なんだかんだとさり気なく気遣いして貰えるのはなんだかくすぐったい。

「あ、明日の夜…A借りるね」

「え、」

ヒョンの話によれば、ヒョンのお兄さんのONE OK ROCKの韓国ライブのペアチケットを貰ったから、Aを連れて行ってくるとのこと。
それは別に構わないんだけど…

「そう言えば、ヒョンはどうやって空港からホテルまで移動したんですか？」

「Aに車出してもらった。」

ヒョンは気を遣うくせに、たまに抜けているところがあるよね？
空港からホテルまでAを足にしたの？
なかなかに大胆だな。
彼にとってはAは身内(いもうと)。
A繋がりで自分達は弟のように接してくれる。
面倒見の良い日本のヒョンだ。

「ソジュンやジュノは元気？」

「あ、はい。元気です。」

「明後日会おうかなぁ。今、シウ達は忙しいの？」

「いえ。もうしばらくしたらツアーが入るので、今は忙しくないです。」

「日本でライブするんだって？ライブチケット買わせて？」

「あ〜、アヤに言ってくれれば…」

「彩乃ね、うん。言っとく…」

「ヒョンはいつまでこっちに居られるんですか？」

「結構強行軍で来たから、あんまり長居できないんだよね。」

「そうなんですね、」

そんな話をしながら、ヒョンと楽しく食事した。

…