FULL MOON 5 (ページ28)

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ずるいページ28

☆亮side

『ね？良いでしょ？』

「そうだね、よく似合ってる」

ニコニコと笑うAに笑顔を返す。
健さんと隆之介さんが、イタリアに行くとは聞いていたけど、途中Aの居る韓国で彼女と会食してるなんて思わなかった。
リサに依頼して健さんはピアスを隆之介さんはチョーカーを作っていたなんて知らなかったし？
二人共相変わらず、Aを溺愛してるなぁ。
健さんからのピアス、隆之介さんからのチョーカーをつけたAは嬉しそうだ。
彼らが来たとテレビ電話をしてきたA。
彼女はあまり電話してこないし、声だけではなく顔が見れるのが嬉しい。

「俺も行きたかったなぁ。」

思わず呟けば、Aは苦笑い。

『亮くんは、お仕事忙しいでしょ？』

「ん〜、まぁ、ぼちぼち。でも、Aに会いたい。」

俺の仕事は順調で、一つ終われば次と、休みがあまりない。
Aに癒やされたい。

『やだぁ、亮くん、彼氏みたい。』

Aに笑いながら言われた。
まぁ、言葉だけとれば、彼氏みたいか。
自分は兄のつもりだけど…。

「帰ってこないの？」

『そのうち帰る。』

「そっか。じゃあ、また。電話して。」

時間を見て、本当は切りたくないけどそう言えば、ちょっと寂しげに揺れるAの瞳。

「寂しくなったらいつでも帰っておいで。」

『うん！じゃあ、亮くん、おやすみ。』

「うん、おやすみ、A。」

まだ、俺との通話を切るのを寂しいと思ってくれているんだ。
彼氏が出来るまで…かな？
これは兄ではなく父親目線かも…。

▽

「なぁに、お亮。その顔。」

Aと電話した翌日、事務所に顔を出したら賢人にそう言われた。

「いや、なんかさ。娘がいるってこんな感じかなって思って…」

「は？何の話？次の仕事子持ち役？」

「違うけど…」

「意味分からない。」

「まぁ、うん。健さんと隆之介さんがAと会食したんだってさ。」

「えぇ〜。ずるい。あの人達韓国行ったの？」

「イタリア行くついでに寄ったらしい。ずるいよなぁ。」

「いやいや、お亮はいつもずるいけどね？俺も会いに行こうかなぁ。」

なんて話を賢人とする。
俺もAに会いたいなぁ。
会いに行こうかなぁ。

…