え、あ、無理 3【JM】 (ページ9)

今日:37 hit、昨日:5 hit、合計:88,759 hit

シオンと僕　JK ページ9

JK

え、マジ？

ヌナの部屋から出てきた男を見て、思わず、目を見開いてしまった。

なんで、居るの？

じぃと見つめ過ぎたのか、彼と目があってしまい、慌てて姿勢を正す。
そんな俺に何も思わないのか、すっと視線をそらした彼は、温かい目でヌナを見つめた。

「あ、グク、おはよう。」

ヌナは、ニコリと笑い、俺に言う。
彼女の半歩後ろにいる彼は、また視線を俺に向けた。

「ヌナ、おはようございます。」

小さく頭を下げて言うと、彼の視線は俺ではなくヌナに向けられた。

何か、言わなきゃ。
彼は基本自分から話しかけてくれない。
こんなチャンスなかなかないのに。
焦っていると、ガチャと音がして、テヒョニヒョンが部屋から出てきた。

「お、A、シオニ、おはよ」

ボサボサの頭を手で直しながら言うヒョンに、ヌナは笑い、彼は自分の被っていた帽子をヒョンに被せた。
その手慣れた感じ。いいなぁ。

「おはよう、テテ。」

「おはよ。テヒョナの寝癖すごいな。とりあえず、これ被っとけ。」

「ん、ありがと。二人してどこ行くの？」

「ご飯食べに行くんだよ。」

「テヒョナも行くか？」

「うん、行く。」

三人は羨ましいくらい仲が良い。
三人を見ていたら、ヌナが、

「グクも食べに行く？」

「うん、行きたいです」

俺を誘ってくれた。ちょっとくい気味に返事しちゃった。

「じゃ、車回してくるから、エントランスに居て。」

あの人はそう言って先にさっさと行ってしまった。
その後ろ姿をじっと見つめた。
いいなぁ。かっこいい。

「ホント、グクはシオニが好きだよね。」

「シオニも構ってやればいいのに。」

二人がそんな会話をしていたのは聞こえなかった。