パーティ後 JN ページ50
JN
先日のパーティは、散々だった。
ギラギラした令嬢に囲まれ、挨拶もそこそこに退散した。
無事だったのは、顔見知り令嬢を隣に立たせたユンギだけ、だが、ユンギはその令嬢に付き合いを強請られているらしい…無事じゃないか。
そして今、僕の目の前には、釣書や写真が山のように積み上げられている。
今までこんなこと、無かったんだけどな。
ナムジュナのところにも山のように、僕よりも多くの釣書や写真が、来ていた。
お断りするにしても、一度は見なければならない。
この現実から逃れたくて、マンションの最上階のリビングで項垂れた。
「はぁ」
小さくため息をつく。
そんな僕を見て、ナムジュナもため息をついた。
「ヒョンのとこにもいっぱい来てますか？」
ホソクが若干青白い顔をして聞いてきた。
「あ〜、うん、まぁ。」
項垂れながら呟くと、
「ちっ、役に立たなかった。」
小さく舌打ちしてユンギが呟く。
「ヒョンのとこも、多そうだね」
ナムジュナは、苦笑いした。
「…そういう事だったのか。」
ユンギが、また呟いた。
「「「え、なにが？」」」
僕達が、ユンギに聞くと、
「Aが婚約を発表したから、俺たちがフリーになったことが明らかになった。だから、あの日、令嬢に囲まれた。テヒョナはサランと一緒にいたから、テヒョナはフリーじゃないと、周りに思わせた。だから、釣書が来ない。グクもはじめから女を連れていたから、フリーじゃないアピールができてた。」
疲れたように言う。
「あ、そう言えば、グクにも釣書きてないや。」
ホソクが呟いた。
「普通に考えれば、わかることだったな。」
僕は、そう言って、頭をかいた。
いつも、Aがいたから、周りに女が寄って来なかったんだった。
サランは、テヒョナをかわいがっていたから、彼の自由を確保したってことか。
「グクの連れていた子ってどこの子？」
僕の疑問に答えたのは、リビングに入ってきた本人だった。
「彼女は、Aヌナの学生時代の親友です。今はヌナのとこに就職してます。シオニヒョンが紹介してくれました。」
グクはそう言うと、俺達を呆れた顔をして見た。
「テヒョニヒョンとシオニヒョンが、俺が断われない縁談が来るかもしれないって、手を回してくれたんです。ヒョン達はそこのところ、大丈夫なの？」
グクのことばに皆が視線を泳がせる。
「え、」
「あぁ、」
「うーん、」
とりあえず、あの釣書、１度は見ないとな。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年9月18日 13時
