二日酔い ページ36
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昨日の婚約披露パーティで勧められるまま飲酒していたジミナは、只今、二日酔いみたいです。
それを見越したのか、シオニは凄くいい笑顔で、"ジミナは明日有休だからね"なんて言ってたな。
二日酔いになるって予測できたなら、周りを止めてたげてよ。
「A、A〜。」
ベッドから起き上がれないらしい、ジミナは、なんだかかすれた声で私を呼んだ。
薬と水を持って、寝室に行くと、彼はうつ伏せで頭を抱えている。
「ぁ〜、大丈夫？」
そう言いながら、薬と水を渡すと、彼は凄くスローに動き出した。
「ん〜、ダメ〜。」
そう言いながら、やっとで薬を飲み干し、力尽きる彼から水を預かる。
ちらりと視線を向けられたので、首を傾げると、
「なんでAは、大丈夫なの？お酒強かったっけ？」
そう聞かれた。
「あぁ、私は全部飲んでないから。」
「え、」
「お酒はお断りはしないけど、全部は飲まないの。パーティでは、飲めないなぁと思ったら、こっそり、グラスを替えるんだけど…もしかして、誰にも聞いてなかった？」
「…うん」
「テテから聞いてるかと思った。テテはもともと、お酒飲めないし。」
「…ヤラれた」
「テテもジミナは知ってると思ってそう。シオニが教えてるだろうって。皆そう思ってたかもね。」
そう言いながら、ジミナのサラサラの髪を撫でた。
頭が痛いのか、眉を寄せる彼に、
「とりあえず、今日は、ゆっくりしてて。」
そう言って、ベッドから離れようとしたら、ジミナの腕が伸びてきて、ベッドに引き摺りこまれた。
「ジミナ？」
「せっかく、仕事、休みなのに、離れるのは、嫌だ。でも、頭、痛い。」
唸りながら呟くジミナ。
もう少し寝たら、薬も効いて、頭痛も良くなるだろうから。
ジミナの背中をポンポンと叩く。
「おやすみ、ジミナ」
「…ん」
私を抱きしめながらも、すぐ彼は寝てしまった。
次に起きた時は頭痛が良くなっていますように。
そう思いながら、彼の腕から逃れた。
仕事、しなきゃなぁ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年9月18日 13時
