え、あ、無理 3【JM】 (ページ34)

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自由人　二人目ページ34

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ザワつく会場がある人の登場で静まり返った。

シオンにエスコートされて、会場入りした女性は黒のロングドレスで颯爽と歩いている。
会場にいる人々はただ黙って彼女の一投足に釘付けだった。

ふと、Aとその隣りにいるジミンに目を止めると、彼女の切れ長の瞳が弧を描く。
Aとジミンを囲んでいた令嬢は、一歩下がり道を作る。
当たり前にその道を堂々と歩き、Aの前に来た彼女は、

「A、久しいな。今日はおめでとう、で良いのか？」

と、笑った。
Aは嬉しそうに笑い、

「サランオンニ。ご無沙汰していました。えぇ。この方が私の婚約者です。」

ジミンに目を向けて言う。

「パク・ジミンと申します。」

ジミンは軽く頭を下げた。
サランオンニと呼ばれた彼女は、ジミン見て、シオンをちらりと見た。

「そう。私はリュウ・サラン。シオンが世話になってるね。宜しく。」

サランは、そう言うと、視線を巡らせ、ジミンの隣りに立つ、テヒョンを見て、

「テヒョナも、久しいな。」

と、声を掛けた。

「サランヌナ、お久しぶりです。」

テヒョンがサランの片手を取って挨拶すると、彼女は取られていない方の手で、テヒョンの頭を撫でた。

「頑張りすぎないように。私はいつでも力になるからね。」

そう小さく言うサランに、テヒョンは嬉しそうに笑った。

「さて、テヒョナ。今日は君にエスコートを頼もうか。」

「是非。」

「では、君の、兄達に挨拶をしたいのだが…」

「喜んで。」

「じゃあ、A、ジミン、また今度ゆっくり話そう。」

あっという間に、サランは話を纒めると、テヒョンにエスコートされ、その場を離れた。

「相変わらず、自由人だね。」

ふと呟くAに

「サランはAとテヒョナに甘いからな。パーティに来ただけでも、珍しい。」

シオンは、そう言うとため息をついた。

「概ね、ジミナと、テヒョナを引き取ったキム家に挨拶に来たんだろ。」

シオンの言葉に、Aは天を仰いだ。

「サランさんって…？」

ジミンが首を傾げると、

「シオニの従兄弟で、クォン家と並ぶ名家のリュウ本家の長女なの。」

Aは答えながら、

「アレは多分ソクジニとナムジュナをいじめに来たな。」

シオンはため息をついた。

…