肉食 TH ページ33
TH
ざわざわと騒がしいパーティ会場。
Aの父方クォン家と母方イ家の祖父母主催のパーティは、上流階級、しかも両家から招待状を受け取った人間しか参加できないパーティで。
いつもよりも割増の笑顔を浮かべるジミナは嬉しそうにAをエスコートしていた。
僕らも招待されたから、会場に来たけれど、参加者は錚々たるメンバーで。
ソクジニヒョンとナムジュニヒョンは、会場についてすぐ挨拶回りに行ってしまった。
僕はシオニに連れられて、主役のジミナとAと一緒にいることにした。
「良かったね。A、ジミナ」
「テテ」
「テヒョナ」
「ジミナがそこどくなら、いつでも変わるよ。」
ニヒッと笑えば、Aは苦笑して、ジミナの眉が寄った。
「絶対譲らない。」
小さな声で言うジミナ。
でも、Aがにっこりとジミナに笑いかけるから、彼の機嫌もすぐなおったようだ。
意外とジミナは単純だよね。
「A様、本日はお招きありがとうございます。パク様、お初にお目にかかります。」
「A様、お久しぶりです。パク様、お初にお目にかかります。こんな素敵な方を見つけてくるなんて、すばらしいですわ。」
Aの令嬢友達が、話しかけてきたので、僕は二人の後ろに、下がる。
そう言えば、Aって令嬢達から人気者だったよね。
ここには、親しい人しかいないけど。
「テヒョナ様も、お久しぶりですね。テヒョナ様はパク様とはご友人でしたか？」
「そうだね。」
流石、Aの友達。
暇してる僕にも話題を提供してくれる。
「A様がご婚約され、世の男は皆傷心でしてよ。」
「狙うなら今ですよね。」
「キム家、ユンギ様、チョン家…」
そう言えば、この子たち結構肉食だったな。
「テヒョナ様もお気をつけて。」
「あ、うん。」
僕は、今はキム家だもんね。
「あら、テヒョナ様はキム家でなくても、人気がありましてよ？」
「A様のお相手候補一位でしたので、皆様手を出さなかっただけです。」
「え、」
初めて聞いたな。そんな話し。
「くれぐれも、お気をつけてくださいね。」
ニコリと笑って告げる令嬢達に引きつった笑みを浮かべるしかできなかった。
まぁ、なんとなく、肉食な彼女達が、僕を他の肉食女子から逃してくれていることはわかっているから、感謝はしているよ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年9月18日 13時
