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「ん」
＿＿あれ、私どこで寝てたんだっけ。
目を覚まして周りを見回す。そうだここは
「起きた？」
「ふぁ？え、ひば、」
彼の通常運転の仏頂面は、私の寝惚けた頭を覚ますには充分だった。
「！？」
「まずよだれ拭ったら？」
＿＿しにたい！！！
光の速さでティッシュで口のまわりを拭う。
とてもじゃないが、雲雀さんのお顔を直視出来ない。
「あとスカート、めくれてる」
＿＿きえたい！！！
「お、お見苦しいものを誠に申し訳ございません…！！」
こちらも光の速さで制服を整え、ついでに髪も手ぐしで直す。
「…君も女子なんだから、ちゃんとした方がいい」
「は、肝に銘じます！」
＿＿あれ
そこで気付く。
テーブルに置いていたスケッチブックがない。
派手な黄色と黒の配色で、嫌でも目に付く代物だというのに。
「これを探しているの？」
それは確かに、雲雀さんの手の中に収まっていた。
「そ、それ」
中には彼の絵が入っている。
本人に見られたら即死どころじゃない。
全細胞が蒸発する。
「素晴らしいと噂の、君の絵に少し興味があってね」
その質の良い声は告げる。
＿＿中を見た、と。
「ぅ……うぅ」
自分の絵をこっそり描く女なんて気持ち悪いに決まっている。そんなのドン引きだ。あぁ、雲雀さんのことを少しずつ知ってきたのに、もう口も聞いてもらえないだろうなあ。さようなら雲雀さん。
俯いて肩を震わせる私に、流石に困惑したのか雲雀さんが声を掛ける。
「ちょっと、そんなに嫌だったの」
「裸を見られるより恥ずかしいです！！！」
ぐわっと涙目で睨みつけると、雲雀さんは目をまんまるにした。
驚いた顔、初めて見た。
「…それは、悪いことをしたね」
ついでに、バツが悪そうな顔も。
うぐぅ、と喉から変な声が出た。
天下の雲雀さんにそんな顔をさせたことに、罪悪感が募る。
「ぅ…いや、いいんです。私がテーブルに置きっぱなしにしたんですし、自己責任です」
そう、元はといえば私がテーブルに放置した挙句、爆睡したせいであって。
「それで、その…」
見られたからには、どうしても気になる。
「……どう、でした？」
ちら、と視線を送ると、雲雀さんは目の前でスケッチブックをめくりだした。
「僕は芸術に全く造詣が深くないし、特に関心もないけど＿＿」
♡
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くらら(プロフ) - たくあんさん» ありがとうございます！ (2019年4月27日 23時) (
レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 最近雲雀さん不足だったから嬉しい…(´･∀･`)更新頑張ってください(●´▽`●) (2019年4月27日 0時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2019年4月14日 21時
