プロローグ ページ1
♡
＿＿その出逢いは突然だった。
放課後、もう誰もいない美術室。
そんな美術室の中に１人、未だ作業を続ける少女がいた。
風紀委員長として校内を見回っていた雲雀恭弥が、もちろんそれを見逃すわけはなく。
雲雀は美術室の引き戸を開ける。
建て付けが悪く、ガラガラと大きな音が響くが、余程集中しているのか気付く気配はない。
「ねえ、君」
美術室の入口から、絵に向かって筆を走らせている少女に声を掛ける。
反応はない。気付いていないようだ。
余程集中しているのか。
近寄って見ると、その少女は、美術部主将の白石紅呂奈であった。
もちろん面識はない。毎回表彰台に上がっているので何となく覚えたのだ。
雲雀は、はぁ、と呆れるように息を吐いて彼女のすぐそばで口を開く。
「ねえ、君、もう下校時間過ぎてるけど？」
先程より語勢を強めて言うと、ようやく彼女は弾かれたように雲雀を見た。
「え、あ、雲雀さん……！！？」
雲雀の存在に驚きつつ、時計を見た瞬間、彼女の顔は青ざめる。
「もうこんな時間なんですね！す、すみません！」
わたわたと絵を片付け、筆洗器を持ち上げたその時だった。
……ずるっ。
何も無いのにも関わらず、ずるりと足を滑らせた紅呂奈。
筆洗器が宙を舞い、中に入った絵具混じりの水がそのまま＿＿＿
紅呂奈が自分のドジっぷりにうんざりしながら絵具の雨が降るのを覚悟して、ぎゅっと目を閉じた。
ばっしゃーん！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらら(プロフ) - たくあんさん» ありがとうございます！ (2019年4月27日 23時) (
レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 最近雲雀さん不足だったから嬉しい…(´･∀･`)更新頑張ってください(●´▽`●) (2019年4月27日 0時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ろこ | 作成日時：2019年4月14日 21時
