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なぁ?(トミー) ページ22

なんであいつの顔を見て
そんな辛そうにするんだよ

なんで俺じゃねぇんだよ。

夕暮れの帰り道、ベンチに座るあいつは
苦しくそうに何処か遠くを見つめていて…

なんで俺はこんなにも…


「なんつー顔してんだよ」

「うわっ!…なんだトミーか」

1人寂しくベンチに座り込む肩をポンっと叩き
目の前にしゃがみ込んで顔を覗き込むと
目をまん丸にした幼馴染がいた。

「はははっ!
そんな驚く事ねぇだろ!!」

しゃがみ込みながらケラケラと笑う俺に
釣られてか彼女も少しだけ微笑む。

「だって、ぼーってしてたから
びっくりしちゃって…」

「いや、それにしてもだろ!
…ってか、どーした?ぼーっとして

「…トミーには関係ないでしょ。」

「お前なぁ…関係なくないだろ、幼馴染なんだし」

悲しそうに少し微笑む幼馴染に
グーで軽くコツンッとパンチしてやる

いつもなら、やり返してくるのだけれど
今日は言い返してすらこない。

「…」

「あ……」

ふと、彼女が見ていた目線の先を見ると
彼女が好きであろう奴と学年1と噂の美人が
手を繋ぎながら帰っていた。

「…」

「…まだ寛太の事、好きなの?」

「…」

「隣のクラスの子と最近いい感じらしいって
聞くけど…あれまじ?」

「…っ…わかんない…」

「お前は…Aは、それでもあいつの事、好き?」

「…わ…かんないや」

「…そっか」

辛そうに微笑む小さな頭をポンポンと
叩き立ち上がるも、彼女の目線は地面に向いたまま
彼女は泣きそうになりながら話しだす。

「あの笑顔が私だけに向けられてたらいいのにって
何回も思ったよ、思ったけど…でも…
やっぱり、幸せそうな寛太君を見ると…
嬉しいし、幸せだし、遠くから見つめられてたら
それで良いのかなって思うんだ。」

そう彼女が話しているうちに
地面に1つ、またひとつと涙が落ちる

「…お前がそれで良いなら良いけど…」

ベンチの横に座り込み、背中を叩くと
彼女が冗談っぽく微笑みながら俺を見る

「ねぇ、私、トミーのこと
好きだったらよかったのにね
そしたら誰よりもきっと幸せになれたのに。」

そう冗談交じりに言う彼女に
耐えきれず、ボソッと呟いてしまった。

「じゃあ俺で良いだろ…」

「ねぇ…?トミー?今…」


この先の言葉を言えばどうなるだろう



でも、きっと何かが変わる


「じゃあ…A…俺で良いじゃん

俺はAを幸せにするから」




そんな気がした。

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作品ジャンル:タレント
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マリン - シンデレラの話すごく良かったです!あとリクエストなんですけど、カンタくんとみんなには秘密で付き合ってる設定の話が見てみたいです!出来たらでいいのでお願いします! (2017年4月30日 19時) (レス) id: f743f30378 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最高過ぎました!!トミーさんのもっとみたいです!! (2017年4月22日 17時) (レス) id: 5fbdf69980 (このIDを非表示/違反報告)
ふなっちぃ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。すぐに対応させていただきました。 (2017年4月22日 16時) (レス) id: 7686772828 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - この作品はオリジナルフラグ対象作品ではありませんのでオリジナルフラグを外してください。 (2017年4月22日 16時) (レス) id: 34346084b5 (このIDを非表示/違反報告)
黄色 - 良かったです。これからも頑張ってくださち (2017年4月22日 16時) (レス) id: 2a718ccb0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふなっちぃ | 作成日時:2017年4月20日 15時

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