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先生 (トミー) 8 ページ12

「あのさぁ…」

呆れたような声でそう言う先生は
ぐしゃぐしゃになったプリントを私の手から
取ると、マジマジと見つめてため息をつく


…私…やっぱり嫌われたかな


そう思うと、また涙が零れおちそうで
ぐっと唇を噛み締めていると


「なんで嘘つくんだよ、こんなに一生懸命
問題解いてるやつが、プリント破くわけねぇだろ」


そう言って私の頭を撫でてくれた


富永先生は、私が何も言わなくても…


「せんせ……私…」

「やってねぇんだろ?」


気づいてくれてたんだ


先生の問いに、こくんと頷くと
先生はホッとしたような表情を浮かべて
私の頭をポンポンっと叩いた

「…え?」

いつもの大きい優しい手ではなく
彼女に踏みつけられた
角の少し曲がった青いファイルで

「先生、なんでそれ持って…」

「あ、綺麗にはらってっから、安心して」

「ちが…なんでそれ…持ってるんですか?」

「…Aが走って行った後
ほら、一緒に勉強してた奴いるだろ?
あいつが、Aにあげたファイル踏んでたから
何か知らないかって話を聞いたんだ
…それで、まぁ、色々あって…返してもらった」

「色々…って?」

「お前は気にすんな」

そう言って頭を撫でる富永先生に
私は聞かずにはいられなかった

「教えてください、色々が、何のことか…
ダメですか…?」

「いや、何でファイルを踏んでるかって聞いた後に
…あいつから色々言われてな
それについて、まぁ、色々言ってたんだよ」

時々言葉につまりながら話す富永先生が
少し戸惑いながら話ししてるのが私にも伝わった

「……私のこと…聞いたんですか?」

「…え?」

「…私が…富永先生のことを…
どう…思ってるかってことです」

そう私が言うと、先生は少し黙り込んだ後
首を横に振った

「Aのことはなにも聞いてないよ…
でも…あいつが俺に対して
どう思ってるかってことは聞いた…
だから、いつも2人でいる、Aに対して
腹が立ってやったことも…全部
気づいてやれなくて…ごめんな」

眉間にしわを寄せそう言う先生に
私は何と声をかけていいかわからない

…私も、あの子の立場なら
こんな嫌がらせをするまではいかなくても
きっと、ものすごく嫌な気持ちになるのは
間違いないから。

「私…少しは分かるんです
あの子が私に対して、あんなことをした事も…」


今この言葉を言ったら
先生に嫌われてしまうかもしれない。


今まで通り話せないかもしれない


それでも伝えなきゃなにも変わらない

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作品ジャンル:タレント
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マリン - シンデレラの話すごく良かったです!あとリクエストなんですけど、カンタくんとみんなには秘密で付き合ってる設定の話が見てみたいです!出来たらでいいのでお願いします! (2017年4月30日 19時) (レス) id: f743f30378 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最高過ぎました!!トミーさんのもっとみたいです!! (2017年4月22日 17時) (レス) id: 5fbdf69980 (このIDを非表示/違反報告)
ふなっちぃ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。すぐに対応させていただきました。 (2017年4月22日 16時) (レス) id: 7686772828 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - この作品はオリジナルフラグ対象作品ではありませんのでオリジナルフラグを外してください。 (2017年4月22日 16時) (レス) id: 34346084b5 (このIDを非表示/違反報告)
黄色 - 良かったです。これからも頑張ってくださち (2017年4月22日 16時) (レス) id: 2a718ccb0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふなっちぃ | 作成日時:2017年4月20日 15時

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