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先生(トミー) 7 ページ11

何も考えず、夢中で走っていて
気づけば人気のない旧校舎の裏側まで来ていた。

夕日は傾き、少し薄暗くなって
普段なら怖いはずなのに、今はなんだか
この暗さが私には丁度いいような気がした。

校舎の壁にもたれかかるようにして座り
止まらない涙を止めるように、膝で顔を隠した。

今頃、先生と彼女は2人きりで勉強してるんだろうか

もしかしたら、富永先生に私の気持ちが
バレてるかもしれない

…もう、あんな風に話せないかもしれない

そんなことを考えながら
グチャグチャになったプリントを見る

先生の手書きの解説

私のために作ってくれたのに

広げたプリントの上に
涙が1つ、また1つと落ちる

泣き始めると、もう止まらなくなった

なんだか苦しくて、自分がなんだか情けなくて


声を押し殺すように泣いていると
遠くから足音が聞こえた

歩いているんじゃない、走ってる…

誰だろう…?
こっちに向かってくる…
こんなところ、見られたら嫌だし、帰ろうかな…

そう思って立ち上がった瞬間
私の肩をグイッと引き寄せ、顔を覗き込んだのは



「A…っ!」




私の大好きな人だった




「…富永…先生…どうして」

「なんで、そんな泣いてんだよ…
なんかあったら言えって言っただろ…」


今にも触れてしまいそうなくらい顔を覗き込んで
私の涙をあの大きな手で拭いとってくれる

なんだか呼吸が荒いのは
私のことを、追いかけてきてくれたから…?

「急に走ってどっか行くから
どうしたのかなってすっげぇ心配で
…1人で泣きたかったんだったら、ごめんな」

そう言って顔を覗き込みながら頭をいつものように
撫でてくれる富永先生に、私は首を横に振った


来てくれて嬉しい

嬉しいよ、先生…


胸がきゅうっと苦しくなりすぎて、何も言えない
私に、富永先生は優しく、良かったと言うように
でも、何も言わずに微笑んで側にいてくれた。


「それ……どうしたの?」

しばらく黙って側にいてくれた先生は
私が落ち着くと、少し声色を変えてそう私に聞いた


「こ…これは……でも…私が悪いんです
私が破いたんです…
…ごめんなさい。先生」

本当は私がやったんじゃないって言いたい


けれど、もしあの子がやったって言ったら…?


「なんで破いたの?」


これからも私は先生の側にいたい

私は先生を見ているだけでもいい
それでもいいから…


私の顔を覗き込みながら真剣な表情の
先生から思わず顔を背けてしまう

そして涙が、また1つ、1つと零れ落ちる

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作品ジャンル:タレント
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マリン - シンデレラの話すごく良かったです!あとリクエストなんですけど、カンタくんとみんなには秘密で付き合ってる設定の話が見てみたいです!出来たらでいいのでお願いします! (2017年4月30日 19時) (レス) id: f743f30378 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最高過ぎました!!トミーさんのもっとみたいです!! (2017年4月22日 17時) (レス) id: 5fbdf69980 (このIDを非表示/違反報告)
ふなっちぃ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。すぐに対応させていただきました。 (2017年4月22日 16時) (レス) id: 7686772828 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - この作品はオリジナルフラグ対象作品ではありませんのでオリジナルフラグを外してください。 (2017年4月22日 16時) (レス) id: 34346084b5 (このIDを非表示/違反報告)
黄色 - 良かったです。これからも頑張ってくださち (2017年4月22日 16時) (レス) id: 2a718ccb0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふなっちぃ | 作成日時:2017年4月20日 15時

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