# パレット 【 ヒプマイ短編集 】

ありがとう × Gentaro.Y ページ23

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『 …ほんと、ついてない。 』









今日は本当についていない日だと思う。


乱数に会って着せ替え人形させられて、帝統に会ってお金貸してあげて、挙句財布を落としてしまうというなんともいえない1日。








『 はぁ…。 』








「 はて、そこで溜息をついているのは小生の愛しい恋人でありんすか？ 」







『 …恋人になった覚えはないよ、幻太郎。 』







「 そんな悲しいこと言われると妾は傷付いてしまいます…！ 」







オロオロ 、 と泣き真似をしだす幻太郎。








『 嘘は結構！！ 』







「 それよりどうしたのでしょう？ 」









「 貴方が落ち込んでいるなんて珍しいですね。 」と笑っている幻太郎にチョップをお見舞いしてやった。









『 んー、今日は乱数の人形やったり帝統の財布になったり財布落としたり散々だったなあって。 』








でも1番は、お母さんと喧嘩したことが何より悲しかった。








「 …小生をもっと頼ればいい。 」







『 え？ 』







「 寂しいこと、辛いこと、悲しいことは誰だってあります。

だから1人で溜め込まないで小生を頼りなさいと言っているんです。 」








『 …そんなの悪いし。 』









「 ま、嘘ですけど。 」








『 ちょっとでも期待した私がバカだった…！ 』







「 ほら、そのように貴方は素直で純粋なのですから。

その気持ちを伝えたらいいんじゃないですか。 」








『 …あーあ、幻太郎にはバレちゃうか。

ありがとう、幻太郎！ 』









幻太郎の嘘は時々ムカつくけど、でもこういう時は元気になれる。









「 はて、お礼を言われるようなことしてませんけどねぇ。

どうしてもお礼がしたいなら体で…。 」


『 うるさい。 』


「 嘘ですよ。 」









本当に嘘つき。









「 …でも、小生を頼れと言ったのは嘘ではないです。

Aのことが好きですので。 」








『 ンンッ ！ 』









「 小生はAが好きですよ。

…だから元気になってほしかった。 」









『 どうせ嘘でしょう？ 』









「 さぁ、どうでしょう？ 」









妖しく笑う幻太郎に不覚にもドキ ッ としてしまったのは悔しいから教えてあげない。









(( 本当にAが好きなのに。 ))


(( いつかは伝わるといいんですが。 ))









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いちごシロップ様リクエスト



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