# パレット 【 ヒプマイ短編集 】

覚悟 × Saburo.Y ページ11

.






『 さーぶーろ！ 』







この笑顔が煌めいてる女の子はA。


僕の隣の席の女の子。








『 聞いてよ〜、この前お兄ちゃんがね、 』








なんて他愛もない話をペラペラと話し出す。


…かわい。








『 ねぇ、聞いてる？ 』







「 聞いてるよ。 」







『 三郎はいいよね。

優しくて完璧な一郎さんに、かっこよくて強そうな二郎さん。 』








『 どちらも素敵だなあ…！ 』なんて言ってるAに軽くデコピンをする。







『 いた…ッ！ 』







「 一にぃは確かにそうだけど二郎なんてあんな低脳のどこが素敵なのか分かんないね。 」








『 えー、二郎さん素敵じゃん！ 』







あーもう。


二郎の話ばっか。


いいよあんな低脳は。








「 Aには僕だけでいいよ。 」









『 え？ 』








そんな可愛い顔誰にも見せたくない。


…僕だけでいいじゃん。








「 ねぇ、 」









Aの隣りは一にぃでもあんな低脳でも、ましてや他の男でもない。








「 僕だけのものになる覚悟、してよ。 」








『 …ッ！ 』









真っ赤にしちゃって、本当可愛い。









「 Aは拒否なんてしないよね？ 」







『 …ッ、三郎はズルい…！ 』








『 私だって好きなのに…！ 』と真っ赤になって俯いてるA。


…あぁ、やっと僕だけのA。









「 たくさん愛してあげるから覚悟して。 」








僕の愛、全部あげる。









(( 今日の三郎はご機嫌だな！ ))


(( あいつがあそこまで笑顔だと気持ち悪い…。 ))









.

お姫様 × Doppo.K→←危機感 × Juto.I

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す