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6話 ページ6

噎せてた零君の息が落ち着いた頃に、お母さんが私の紹介しようと、微笑んで私の肩を掴んで前まで押し出す。お母さん、握力強いです。痛い。

「この子は私の娘のAよ〜。仲良くしてあげてね。」

うん、急に前に出さんといてもろてええですか?
変な方言が口から出そうになったのを堪える。いま絶対顔がキュッとしてる。梅干し食べた顔のやつだよ。梅干し思い浮かべたら口の中酸っぱくなってきた。

「朔間零です。よろしく。」
「常闇Aです。こちらこそ…」

すごい簡潔な挨拶をお互い交わして、すぐにお母さんの後ろに隠れる。恥ずかしい訳じゃないのよ。別に年上の少年に照れるほど精神幼くないからね。理由は別にある。

「あら、A照れてるのかしら?」

そういう訳じゃ無いんです。ただ圧倒的顔面を感じたんです。いや本当に、鏡の前とかで〈今世の顔面勝ち組では!?〉とか調子こいていたんです。
さてここで零君をお母さんの背中からそっと覗いてみましょう。零君は梅干し顔で覗く私に何も言わない、聞かない。君本当に5歳?

「…?」

ニコッと笑顔を返された。もう、君だけ次元が違うのよ。何かフィルターかかってるのよ。キラキラ〜って光り輝いてんのよ。そのうちサングラス必須になりそうだよ。

もうこの顔面だけでも戦闘力53万ぐらいあるよ。イ○スタとかTw○tterに顔写真上げてみな?絶対バズる。そもそもインターネットツールがあるのか知らないけどさ。

あの、調子こいててすみませんでした。ハイ。現実を知り、梅干し顔からシワシワピカ○ュウ顔になった。零君、また噎せてた。すまん。
それに比べお母さん、娘の顔が凄いことなってるのに、

「あらあら〜」

で終わらすのね。精神が強い。私も強く生きよ。

そんな事などを噛み締めていると、零君とお母さんが談笑を始めていた。何やら先程まで人を探していたらしい。

「ここまでの道中で凛月を見ませんでした?」
「凛月君?あの子、外路樹のそばで寝ていたからお父さんが部屋に連れて行ってると思うわよ?」
「外に居たんですね。ありがとうございます。」

どうやら零君、弟の凛月君を探していたみたいだ。だから少し汗ばんでたりしたのだろう。お母さんから無事である事を聞いてホッとしているのが見てわかった。お母さんの着ている瓶覗色のスカートの裾を掴みながら話半分に聞いていると、

「凛月君のこと、Aが見つけたのよ〜」

お母さん、お願いだから急に話を振らないでください。零君もこっち見んな。

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イッシー(プロフ) - とても面白かったです!続き楽しみにです‼︎ (2022年1月8日 2時) (レス) @page14 id: 38d413f226 (このIDを非表示/違反報告)
清掃員C(プロフ) - 続き楽しみにしてます……! (2021年8月2日 9時) (レス) id: 3f76f8d206 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chika | 作成日時:2021年7月17日 13時

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