171._弁明 ページ25
「…A」
『今度は本当に大丈夫だよゴン。ありがとう』
ゴンの心配そうな顔に安心させるように笑う。キルアは未だ罰が悪そうな顔はしているが、もう敵意はなかった。
…痛みはない。
『……』
許しを貰えるのはこんなにも救われるものなのか。
『…順を追って話すよ』
私は近くの椅子に座る。二人もベッドに腰を掛けた。
『まず、私は旅団がオークションを襲うことは知っていた。仕事中の彼らに会いにも行った。だけど君たち二人が来ていることは本当に知らなかったんだ。…たからあの日の帰り。窓から顔を覗かせたキルアには大層驚いた』
キルアは思い出しているのか顔を難しくさせる。
「じゃあ、あの服は…」
やはりちゃんと見えていた。…まぁ見えるもんな。
『私もオークションを襲った、と言いたいところだけど違う。私は手は貸していない。旅団ではないからね。あれは…猫とじゃれあった結果かな』
猫、？とゴンが首を傾げる。
『アジトでゴンを拘束した黒くて背の低い男、分かる？』
「うん、」
ゴンは明らかに嫌な顔をした。ゴンはフェイタンが好ましくないらしい。
『ちょっかいをかけたのは私なんだけど、からかうつもりがむしろからかわれてしまった。あの服はその結果』
「Aからしてもそんなに強いのか？」
『そうだね。でも普段だったら負けないよ。あれは状況が悪かった』
単純なスピード勝負だったら、フェイタンの方が上。あれはドレスがいけない。
『その後旅団に懸賞金がかけられたわけだけど、それを二人が狙っていることもレオリオと会うまでは知らなかった。…私が旅団追跡に協力した理由はね』
二人の目。特にキルアはしっかりとこちらをみる。
『正直に言うと、二人の力がどれほど旅団に通用するか。旅団と相対することで二人がどれだけ成長するか、見たかったんだ』
二人の目は揃って丸くなる。あれ、意外だっただろうか。
『二人を傷つける気は全くなかった。私が言えば旅団は二人を傷つけることはないって思ってたんだ。それにもし傷つけようとしたら私が絶対にそれを阻止させるつもりだった。……と、そんなに意外だったかな』
「…Aがオレたちをそんなに気にしてたなんて思わねーだろ」
今度は私が目を丸くする。
『え、嘘。…もしかして全然伝わってなかった…？』
キルアのことは勿論、今となってはゴンも私にとっては大切な一人。けれどそれは本人には伝わっていなかったらしい。
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
