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今日も、いつもと同じく、18年間住んできた家で過ごす。





この家はそれなりに大きい方だが、ずっとそこだけに居れば退屈にもなる。









「外に行ってみたいな…」






独り溢した願いは誰に届く事もなく、ほんのりと暖かくなってきた空気に溶けて消えた。









ようやく冬が終わり、穏やかな春の気配が近づき人々は明るく過ごしていたが、この少女、Aの心は相変わらず曇っていた。







それというのも、彼女は生まれて此の方一度も外に出た事が無かったのだ。









彼女の両親は一人娘を大層可愛がっており、酷く心配していた。





そこであらゆる危険から娘を遠ざける為、家から1歩も出ないようきつく言い渡したのである。



こっそり出ないよう、使用人に監視もさせている。









こうしてAの世界は家の中と広めの庭だけになった。








庭には立派な桜の木があり、春には満開の花を咲かせる。



街でも評判の美しい桜だった。









縁側に腰掛け、そこから見える木をぼんやりと眺めるだけの日々。









毎年美しく咲き誇るこの桜を、Aはあまり好きになれなかった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 猗窩座
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鮭大根大好き - 何と切ない,,,泣泣猗窩座はやはり優しい,,,素敵でした! (2020年11月12日 20時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 切なくて泣きました 私もアカザが好きなので読むのが楽しかったです (2020年5月5日 2時) (レス) id: 9f2a54f0b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mel | 作成日時:2020年3月8日 7時

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