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「…！」
家に着くなり目に入った光景に思わず目を見張る。
あの美しく立派な桜の木が、切り落とされていたのだ。
残されていたのは切株だけで、何度も文を結んだあの木はもう何処にも無かった。
それにしてもやけに静かだ。
まあ夜中だから寝ている頃だろうとは思うが。
とにかく、Aを探そう。
部屋は縁側に面していると言っていたからこのあたりだと思うのだが…
「猗窩座さん…？」
不意に声がした方へ慌てて向かうと、青白い顔をした女が布団に横たわっていた。
「猗窩座さん、ですよね」
「ああ、やっと会えた…」
そう言って微笑むAは酷く痩せており、今にも死にそうな気配を漂わせていた。
「ごめんなさい、約束破ってしまって…
手紙もずっと出せませんでしたね」
実は、と弱々しい声でここ最近の事を語り出す。
簡潔に言うと、両親に文通の事がバレたらしい。
彼らは怒り、手紙を取り上げて更に彼女を自室に閉じ込めて昼夜監視させた。
それでも彼女は抵抗し、隙を見て今夜抜け出そうとしたが見つかり、怒り狂った父は庭の桜を切ってしまったという。
「そして、お前の様な娘はもう要らない、と言って私に毒を飲ませました」
・
「私は間も無く死にます」
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鮭大根大好き - 何と切ない，，，泣泣猗窩座はやはり優しい，，，素敵でした！ (2020年11月12日 20時) (
レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 切なくて泣きました 私もアカザが好きなので読むのが楽しかったです (2020年5月5日 2時) (レス) id: 9f2a54f0b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mel | 作成日時：2020年3月8日 7時
