初恋の人は鬼上司に豹変していました【降谷零】

04：カスミソウ ページ5

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レトロな店内でその容姿が異様に映える。

土曜日のポアロには女子高生もちらほらと見かけ、その視線は全て一点に注がれていた。


｢あれ、今日お休みでしたよね？星咲さん｣


ほらやっぱり来てるじゃん！？

何なんだこの男は！人の好意を素直に受け取れないの？何なの性格ひん曲がってるの？？


目の前でにこにこと笑う安室透の姿は、優しかった頃の降谷さんに一番近い。

だがしかし、だ

これぜんっぜん笑ってない目が帰れコールおくってきてる。


全くもって安室透じゃない。

降谷零出てきてるじゃん引っ込め降谷零。


寧ろお前が帰れ！と叫び出したい所だが、星咲Aは清楚な大和撫子を売りにしている。

あれですよ自分と真反対な方が演じやすいって言うじゃん？

わかりやすい例は降谷零と安室透。真逆過ぎて最早笑える。


しかも今日は黒縁メガネに赤い蝶ネクタイの少年から熱い視線をおくられている。

切実に帰って欲しい君がいたら遠回しな嫌味も言えないじゃないか。


どうにかしてうちのストイックすぎる上司を寝かせる策を練っていると、ふいにくいっと服のすそを引っ張られた。


｢え、｣

｢おねーさん！あのね、一緒に来てたお姉ちゃんがお友達を迎えに行ってるんだぁ…戻ってくるまでお話しない？｣


やだこの子あざとい。

お話？絶対尋問じゃん降谷さんから君のことはよく聞いてるんだよ残念だったね少年！

けれど、子供や小動物に弱い私はどうしても断りきれない。

頭を抱えて試行錯誤していると、痺れを切らしたのかトドメをさされる。


｢だめ？｣

｢あっはい大丈夫です！｣


笑ってるの見えてますからね降谷さん！！

画して、絶対正体暴いてやる小学生VS清楚な大和撫子演じてる子供好き公安警察の闘いのコングが鳴り響いた。

正直いうとやりたくない。



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お気に入り、評価ありがとうございます！

好調スタートなのかどうかはわかりませんが、予想以上の方に見て頂けて嬉しいです…！

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