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12:ラベンダー ページ13

▽Kazami


「ふる…零さん」

「ふるれいさんってなんだ略してんのか」


その会話に辺りが一気に騒々しさを増す。例に俺もコーヒーを吹き出しそうになった。


今日はサミット警備の際の後処理の件で警察庁へ登庁していた。

そこでまさかの『零さん』呼びだ。

所々で資料をばさばさと落とす音が聞こえた。


まぁそうもなるだろう。降谷さんが星野の初恋相手であることは最早周知の事実。

加えて昨日は合コンに着いていったらしいし、星野は昨日と同じ格好。

付き合い始めた。
そう考えてしまうのが人間の思考回路だ。


「あの…昨日何かあったんですか」


周りの人間を代表してそう尋ねると、一気に視線が集まった。

いや仕事はどうしたゼロのエリート。


若干化け物じみた人間ばかりのこの部署でも、色恋沙汰への興味は薄れていないことに妙な親近感を覚えた。

いや、まず色恋沙汰に発展することが有り得ないとも言える程常に繁忙期の部署だ。


この部署のエリートたちの恋愛偏差値は大学レベルで止まっているんだろう。

…ハニートラップをガンガン仕掛ける降谷さんを除いて、だが。


全員が耳を傾ける中返答を待っていると、「何かって何ですか?」と星野は首を傾げて見せた。

嘘だろこの周りの反応でわからないのかお前。


そう考えていたのは降谷さんも同じようで、深い溜息をつくとさらりと言い放った。

「昨日Aが酔いつぶれてそのまま寝やがったからうちに運んだんだよ」


いやおい星野。

危機感何処に置いてきたんだよお前。


「良かった…私寝てたなら変なこと口走ってませんね!」

「さぁな」

「え、」


けれど、大事なのはその後だ。


「それからどういう経緯で名前呼びに?」


そう言うと目を瞬かせた星野が「零さんがそう呼べって…そういえば何でですか?」と呟いた。

その言葉に視線が降谷さんに集まる。


その視線に降谷さんが珍しく狼狽えた。

目を泳がせて、何かを言おうとしては口をつぐむ。

その反応に目を見開く。
まさかなんて考える。


「降谷さんまさか…」

「黙れ風見」


今日も今日とて理不尽な上司は、案外不器用なのかもしれない。




急な方向性の転換にもお気に入り登録者さんの人数が減っていなくて感動してますありがとうございます…!

もうひとつの作品に釣られてこっちも段々甘くなってきてどうしようってなってます糖分が多い。過量摂取です。

これから進展はしないものの恋愛感がやっと出てきますので、お楽しみ頂けると幸いです!

13:ナデシコ→←11:ヒヤシンス



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壟薇 - 続き楽しみにしてます!!!! (2019年9月1日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます…!すぐに修正させていただきます! (2019年7月28日 0時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 11話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2019年7月28日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
haruno(プロフ) - ゆりんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です…!今後も楽しんで頂けるよう頑張りますね! (2019年7月20日 19時) (レス) id: ca8568045c (このIDを非表示/違反報告)
ゆりん - 面白いです!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 13時) (レス) id: aa34414ff5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:haruno | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月10日 1時

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