先生たちに支配されるな！【実話】

31.錯交。 泉side ページ32

教室に戻ると教室の隅っこに花凛の姿。

さすがに私が声をかけるのはダメだと、バカでもわかっちゃいる。
でもこのクソほど重い空気の中で練習はできない。
でも雰囲気的にはやる感じだった。

体育館に行くまでの短い時間だったけど、それでも無駄に長い時間のように感じた。
ただただ、ダルかった。

移動、と言われて衣装を持って移動しようとすると麻央が泣きそうな顔をしていた。
元々よく泣く子だ。
なんか気づいたら泣いてる。
麻央と一番仲のいい苺ちゃんが付き添う。
とりあえず体育館の時間は限られている、私は二人の荷物も持って体育館へ向かった。

体育館へ向かう途中、
「何で麻央泣きそうになってたの？」
と聞かれたが、私は
「知らない」
と返しておいた。

花凛の事かと、その時までは思ってた。
でも違った。

体育館に行き、衣装を更衣室に置く。
道具などもセットが終わり、教室に残してきた麻央と苺ちゃんも来た。

そんな時、南が集まってと言い始めた。
察した。
説教か、と。

最初は花凛の事だった。
ひたすら由梨が「私のせいだ」といい謝っていた。
由梨のせいじゃない、そんなに責めなくていい、言えるはずの言葉は口から出ない。
ただただ右側にいた女子二人にイラついていた。
こんな話をしてる中笑いやがって。
「黙れよ」
ボソッと呟くだけ。

でもその後は唯一の小道具、紙飛行機が壊されていた事についてだった。

それで麻央や苺ちゃんが泣きそうになっていたらしい。
あぁ…なるほど…とはならなかった。
全然状況が理解できなかった。

でもただ、前々日で“大事な時間”と南が言っていた時間は南の話で何もなくなったこと。
体育館では何の練習もすることができなかった。
ただ衣装を持って、道具を持って、体育館に行って。
こんな説教をしたところで正直うちのクラスはよくならない。
わかりきっているような気もするが、きっとこの担任はわかっちゃいない。

教室に戻ったらまた練習をするらしい。
この雰囲気で私はできない。
無理だ。
やりたくない。
演技の仕方がわからなくなった。

「由梨、私もう今日練習できない。もうセリフもわかんない、演技の仕方もわかんない。もう無理」

セリフがわからない、は嘘だった。
でもどうにか今日はもう終わらせたかった。
早く帰って眠りにつきたい。
そうすれば明日の私が今日の私の代わりに全部やってくれるから。

結局私の意見もあってか、練習はなくなった。

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泉です。
文字数が限界なのでこの辺で。

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