奏 −YG− 第二章

＊　(You) ページ44

カズはスジンさんと間違い探しの旅に出るつもりだった
でもそれを見つけ出せたらちゃんと帰って来るつもりで…



SN「そんなの嘘よ！
だってカズには私以外の女が居たのよ！？」


YG「それ…さっきも言ってたよな？
どうしてそう思う？
証拠でもあるのか？」


SN「証拠ならあるわ！
カズに近しい人間からの証言とこの写真が証拠よ！」



スジンさんは私たちの前に自分のスマホを置いた


そこに映し出されていたのはカズ…
そしてカズに肩を抱かれて歩く女性…



SN「カズが浮気していた何よりの証拠でしょ！？
違う？」



ユンギは私を見て目をぱちくりさせていた


それもそのはず…
その画像の女性は紛れもなく私で…


今と髪型は違うしメガネをかけているけど私で間違いない


ユンギは画像を指差し声を出さずに『A？』と口を動かした
私も頷きながら声を出さずに『私』と返答…




SN「何なの！？
会話は声に出してしなさいよ！」


YG「これってきっと浮気じゃなくてただの介抱だ」



ご名答
外でお酒を飲み過ぎて泥酔した私をカズが介抱してくれていた時の画像だ



SN「どういう事…？」


YG「この女の人…
ここに居るAだぞ？」



私を指差したユンギ…
スジンさんはスマホを手に取って画像と私を交互に見始めた



SN「嘘…
これ…あなたなの…？」


「はい…
お酒が強くないのに飲み過ぎて泥酔した時に撮られた物です
しかもこの写真はカズのデビュー直後の物ですよ？
カズ初の熱愛報道の時に世に出た物で…
報道後直ぐにいとこ同士で飲みに行った帰りだと公表したんです」


SN「じゃあ騙されたって事…？」


YG「この写真はどこから入手したんだよ？」


SN「カズのマネージャーさんよ
カズはこの画像の女性とだいぶ前から付き合っているから別れた方がいいって…」



なるほど…
彼女ならそのくらいの事はするだろう



「そんな事を言ったのはユミさんなんですね？」


SN「えぇ…山本ユミって女」


「やっぱりそうですか…
彼女はカズに恋心を抱いていたんです
何度かその件で相談された事があったので間違いないです」


YG「じゃあ2人の婚約を破談にしたくて嘘の情報をスジンに…？」


「彼女ならやりかねない
日本人ならこの画像を目にした事がある可能性は高いけど韓国人のスジンさんなら騙せると思ったんじゃないかな？」


YG「随分えげつない事をするマネだったんだな…」



思いがけず悪の根源を発見


そしてある物も発見した事で心が解れていったんだ

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