* (You) ページ43
悔しい
悔しくて堪らない
「俺はカズさんが大好きだった
だから悔しくて堪らないんだよ
またいつか会える…
またいつかあの歌声を生で聞ける…
そう思ってあの日別れたのに…」
SN「カズに会った事があるの…?」
「あぁ…
サヨナラなんて言うんじゃなかったよ…」
カズさんとの最後の共演となった日…
収録後いつものようにカズさんと言葉を交わし最後に『サヨナラ』と言われ俺もそう返した
もしもう二度と会えないと知っていたら『サヨナラ』なんて言わなかったのに…
A「『サヨナラ』はきっとカズにとって別れの言葉じゃなかった…
そんな事にも気付かないなんて私はどうかしてるね
本当に抜けてるよ…」
俺を見るAの表情が穏やかで俺はその事に酷く驚いた
「どういう意味なんだ?」
A「カズの『空』って曲を知ってる?」
「勿論」
A「じゃあその歌詞を辿ってみて?」
頭の中で『空』が流れて行く
−サヨナラを悲しむ必要はないよ?
僕たちはいつも同じ空の下に居る
だからまたいつか巡り合おう−
あぁそうか…
カズさんの『サヨナラ』には『また会おう』と言う意味が含まれていたのか…
視界を邪魔する涙を拭いAを見ると優しく微笑んでいた
A「『サヨナラ』と言う言葉は奥が深いんだってカズに力説したのは私なのに…
ほんとバカだよね…
きっとカズはその事をちゃんと覚えていてくれたんだよ
だからあれは遺書じゃなくて『また必ず会えるよ』って言う意味の置き手紙」
ここに向かう車中でAが見せてくれた二通のカズさんの遺書
だけどそれは遺書ではなく一時の別れを告げる置き手紙だったんだな…
「本気でスジンと間違い探しの旅をするつもりだったって事か…」
A「そうなんだと思う
でも簡単には行かない事が分かっていたからあの手紙を残した…
そう考えればカズが急に長めの充電期間が欲しいと言い出した事にも納得がいく」
「カズさんはスジンの心が自分から離れている事に気付いてたんだな…」
A「そうなんだろうね…
それでもスジンさんの事が諦められなくてスジンさんと間違い探しの旅に出ると決めた…」
SN「そんなの嘘よ!
だってカズには私以外の女が居たのよ!?」
「それ…さっきも言ってたよな?
どうしてそう思う?
証拠でもあるのか?」
SN「証拠ならあるわ!
カズに近しい人間からの証言とこの写真が証拠よ!」
スジンは自分のスマホを俺とAの前に勢いよく置いた
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ソル(プロフ) - 74さん» はじめまして。お読みいただきありがとうございます。修正を終え次第全体公開に切り替えますので今しばらくお待ちくださいませ。 (2021年4月15日 19時) (レス) id: 8f6691ead0 (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - ぽぽさん» お読みいただきありがとうございます。修正を終え次第全体公開に切り替えますので今しばらくお待ちくださいませ。 (2021年4月15日 19時) (レス) id: 8f6691ead0 (このIDを非表示/違反報告)
74(プロフ) - はじめまして。奏楽しく読ませていただいています。第三章のパスワード教えていただけないでしょうか? (2021年4月15日 13時) (レス) id: a2d39c6975 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。パスワードを教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします (2021年4月15日 8時) (レス) id: 44c81509b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソル | 作成日時:2021年3月30日 1時