奏 −YG− 第二章

＊　(YG) ページ15

「そう言えばカズさんって彼女居たの？」


A「居ました
遠距離恋愛の彼女が」



遠距離恋愛…か…



「どうやって会ってたのかな？」


A「カズの話だとオフを利用して会いに行ったりしていたみたいです
勿論彼女が来る事もあったみたいですけど…」



そう言ったAは何故か天井を見上げてフリーズした



「どうした？」


A「私もある意味カズと同じ道を歩むのかなって…」


「遠距離恋愛？」


A「はい
なかなか会えない相手だと言う意味ではカズと一緒ですから…
それに相手が韓国人という点も一緒ですね」



カズさんの彼女は韓国人…？



「カズさんの彼女さんって韓国人だったの？」


A「はい
仁寺洞に住んでいる小学校の先生だと話していました」



仁寺洞で暮らす小学校の先生…？
まさかの合致
でもさすがに違うよな…



A「とても美しくて聡明な人だと聞いていたので会える日を楽しみにしていたのに…
結局会えずじまいでとても残念です」



美しくて聡明と言う点までも合致



「その人の名前は知らないの？」


A「それが…
私はスジンという名だったと記憶していて…」


「スジン…？」


A「はい
でも本当にそうだったのかは定かじゃなくて…
何しろ数回聞いただけなので…
だけどカズのご両親なら彼女の事を詳しく知っているはずです」


「だからあの時驚いて鍋を落としたの？」


A「勿論それもあったんですけど…
ユンギさんの口から女性の名が出た事がショックだったと言う方が大きくて…」



恥ずかしそうに目を伏せたAを強く抱きしめる
俺の腕の中のAは何故か俺の胸をクンクンし始めた



「俺…臭い？」


A「いえ…」



そう言う割にはいつまでもクンクンしている


やっぱり臭いのか？
それなら今すぐシャワー浴びないと！



A「最高な化学反応ですね」



化学反応…？
意味不明だ



A「2人の汗が混じり合ったせいか凄くいい香りがします」



俺たちの汗の化学反応がいい香りを生み出したって事なのか？
やはり曲作りの天才と変態は紙一重…？


とりあえず話題を変えておこう



「今までの男と比べて俺ってどうだった…？」



こんな事を聞いてしまう俺もどうかしている


だけど知りたい
俺が一番だと言ってほしい



A「何聞いちゃってるんですか？
何もかもユンギさんが一番に決まってます！」



Aは変態…
いや…相当な変わり者だけど出来る子だったらしい

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