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〜石切丸side〜
大層鬱陶しそうにこちらを見上げる赤と黒の瞳を、どうにか平静を装って笑って返す
そんな表面に反し私の胸は大きく音を立てていた
ここに彼が来て５日ほど経ち、漸く初めて間近でその姿を見たわけだがこれは…
内番着…じゃーじ？というものに身を包んだ彼は、戦装束を纏っているわけでもないのにどこか威厳的で
あまりの美しさに溜め息が零れそうだが、それを許しはしない恐ろしさもまた持っている
…流石は彼の有名な刀匠『九条』の刀だ
A「…おい、いい加減にしろ」
想像を絶する『九条』の素晴らしさ、また彼自身の美しさをじっくりと鑑賞しすぎたがゆえに、彼への返答をおざなりにしすぎたらしい
かなり腹を立てた様子で、今にも刀を抜き斬りかかってきそうな形相でこちらをにらむ彼に、漸く現実に引き戻される
石切丸「あ、あぁ、ごめんよ。あまりに綺麗だったものだからつい」
悪びれもなくそう言って見せると、彼は奇妙なものを見る目付きで私を見上げた
A「綺麗？俺が綺麗だと？？」
石切丸「うん、とても綺麗だよ。…これ以外は、ね」
そう、笑顔を消し彼の右手を掴み上げる
私と目を合わせることで上に意識が向いていたため、手元は全く無防備だった
抵抗をする間もなく空気にさらされたその白い手首には、彼の手より一回りも二回りも小さな手形がくっきりと見てとれた
石切丸「これは、いつ付いたものだい？」
A「放せ、貴様には関係ないだろう」
石切丸「そうはいかない。答えてくれ」
彼からの殺気が向けられ、心臓が縮み上がるのではと錯覚するほどに恐怖が全身を包む
…情けない、練度は私の方が間違いなく上だというのに
上手く吸えない息を、それでも無理やり吸って言葉を紡いだ
石切丸「さぁ言うんだ。これはいつ付けられたものなんだい？」
練度が物を言う“力”に任せ彼の腕を必死に掴み続ける
A「っ…、随分前だ。こんな場所に俺の身体を蝕める悪魔など居るものか」
もう良いだろうとでも言うかのように、一瞬の隙をつき彼の腕は私から離れ、彼自身もまた荒々しく私の元を去っていく
…随分前、だって？
今さっき付いたと言われても疑わないほどにあんなにも濃く、しっかりと残った痣が、随分前につけられた？？
しかも前に遠目から見たときは無かったはず
ずっと彼が隠していたか
はたまた“隠されていた”か
…これは主とも話す必要がありそうだ
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凛音 - 本当に面白いです！続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！ (9月26日 19時) (
レス) @page40 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 中二病の主人公！新しくて大好きです！続きとても楽しみに待っております！ (7月18日 19時) (レス) @page40 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーぬぬーぬぬー - 続きをお恵みください… (2022年11月23日 0時) (レス) @page40 id: 8435a17515 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年9月24日 19時) (レス) @page40 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
YM - このお話大好きです！作者様の負担にならない程度に更新してくださると嬉しいです (2021年12月27日 15時) (レス) id: 0c982d92bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご
| 作成日時：2018年5月13日 18時
