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〜蛍丸side〜
冷たい眼差しに怯んだほんの一瞬の隙をついて俺の手を払い九条は去っていく
その後ろ姿を見ながら、俺は宙に伸ばしたままの手を強く握った
蛍丸「なに、それ…っ。ばかみたい…っ」
愛染「蛍丸？」
俯いた俺を訝しむ様に覗き込んでくる国俊が、ぎょっと目を丸くする
つらい、苦しい
俺じゃない“俺”が置かれている境遇が
何より
彼があぁならざるを得なかったことが
愛染「ほ、蛍丸、なんで泣いてるんだ！？」
蛍丸「だっ、て…！九条が…っ！」
愛染「え、え？？」
蛍丸「俺がさっき、死ぬの怖い？って聞いたでしょ…？九条はなんでもない顔してまさかって言ったよね。……じゃあ、何を怖がっていたの？」
俺の言葉に戸惑いながらも耳を傾ける国俊は、まだこの意味を理解してない
確信を持ってしまった“それ”に、俺は今まさに胸を締め付けられているというのに
蛍丸「俺たちに関わるなって審神者から言われてて。背けばそれは滅びに繋がる。でも九条自身滅ぶことは怖がってない。……じゃあ九条があそこまで頑なに俺たちとの関わりを嫌がったのはなんでだと思う？？」
そこまで言って、漸くなにかを察したように、国俊は目を見開いた
それに反論の意思がないことが、さらに俺を苦しめる
愛染「潰されるのは……、滅ぶのは、俺たち…？」
それしか、考えられないから
審神者は九条を大事にしてたんだろう
当たり前だ、九条はまだ実装されていない刀なんだから
その上見目も良く、他の刀をチラつかせれば従順
“お気に入り”になるのは当然だ
そんな彼と俺たちが接触するのを審神者が嫌がっていて
審神者が九条に命じたのならば
「あいつらと関わるならば地の果てまででも追いかけて潰してやる」
そう、ぽそりとでも口に出したとするならば
九条がとる行動はわかりきっている
愛染「あっちの“俺たち”のため…？そんな、こと…」
蛍丸「そうとしか考えられないでしょ…？」
九条は優しくて刀思いのやつだから、きっと“あっちの俺たち”のことも大切にしてた
そんな大切な彼らを自ら遠ざけて、守って、無理して、傷ついて
冷たい表情と言葉の裏に隠れてしまっている底無しの優しさが、俺たちの心を深く抉る
蛍丸「…主のとこ、行こうか」
愛染「そうだな」
強く、なりたい
九条が心配しなくても良いように
九条の横に並んで戦えるように
涙をぬぐい、俺たちは刀身を握りしめた
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凛音 - 本当に面白いです！続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！ (9月26日 19時) (
レス) @page40 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 中二病の主人公！新しくて大好きです！続きとても楽しみに待っております！ (7月18日 19時) (レス) @page40 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーぬぬーぬぬー - 続きをお恵みください… (2022年11月23日 0時) (レス) @page40 id: 8435a17515 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年9月24日 19時) (レス) @page40 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
YM - このお話大好きです！作者様の負担にならない程度に更新してくださると嬉しいです (2021年12月27日 15時) (レス) id: 0c982d92bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご
| 作成日時：2018年5月13日 18時
