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〜扇side〜
単なる興味だった
出陣後はみんな疲れながらも楽しそうに話をしてくれて
そしてそれは見た目が大人なやつも同じで
だから、普段無表情どころか眉間にシワを寄せているような九条はどんな表情をするのだろうか
そう思って聞いてみただけだった
なのに何だって？
『刀を本来の用途で使う事。刀で敵を斬る事。誰かを守れたこと。……全部、全部初めてだったんだ』
最初の２つは当たり前の事だ
刀剣男士として当たり前
もうひとつ、誰かを守れたこと
“守った”じゃなくて“守れた”って言ったのには、きっと意味がある
……手を、出せなかったんだろう
九条は自我が強くて、薬研の件からも仲間思いの刀だって分かる
でもやっぱり元は刀だから
主に逆らうことはできないから
助けようと伸ばした手は届かなかったんだろう
今まで何度怒りを募らせたのだろうか
今まで何度守れない自分を責めたのだろうか
今まで何度……
今の様に、唇を噛んで耐えてきたのだろうか
九条の辛さを思い、押さえがたい感情が俺の身体を動かす
九条の着物の襟を掴みあげ、前任への苛立ちを、審神者としての恥辱を、九条への申し訳なさを、ぶつけるように叫ぶ
頼む、お願いだから……
扇「ふざっけんじゃねぇよ……っ！そんな、そんなことで…………！！！」
幸せそうに、目元を緩ますな
そう言いきる前に
俺の視界いっぱいに、九条の包帯の巻かれた掌が映り込む
ほんの一瞬冷静さを取り戻し、そのまた一瞬後に
扇「っ、ぐっ！！」
俺の頭は床に押し付けられた
俺の顔を鷲掴む九条の指の隙間から見える彼の表情に浮かぶのは怒りのみ
まだ傷が治っていない、重いはずの身体をふらふらと持ち上げ、俺の腹の上に膝を立て顔をぐっと近づける
A「ふざけるなは、こっちのセリフだ」
扇「く、じょっ、」
彼の左腕を両手で剥がそうとするが、どうにも離れない
力が違う
これもこいつの言う悪魔の力なのか？
なんて考えるうちにもどんどん力は強まっていく
A「どの口がほざくんだ。人間風情が。この俺に、上から指図するな」
扇「九条っ、すまないっ！そういうつもりは」
A「黙れ。腹立たしい事この上ない。このまま貴様の頭を握りつぶしてくれる。……喜べ、この腕に宿る悪魔も力を貸してくれるそうだ」
本当に骨までも変形するのではと思うほどの力が加えられる
もうだめだ、と思ったその時、障子が勢いよく開く音がした
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凛音 - 本当に面白いです！続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！ (9月26日 19時) (
レス) @page40 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 中二病の主人公！新しくて大好きです！続きとても楽しみに待っております！ (7月18日 19時) (レス) @page40 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーぬぬーぬぬー - 続きをお恵みください… (2022年11月23日 0時) (レス) @page40 id: 8435a17515 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年9月24日 19時) (レス) @page40 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
YM - このお話大好きです！作者様の負担にならない程度に更新してくださると嬉しいです (2021年12月27日 15時) (レス) id: 0c982d92bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご
| 作成日時：2018年5月13日 18時
