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A「…………初めてだった」
扇「というと？」
ちらりと盗み見た扇の顔はきょとんとしていた
俺が返事を返したのが予想外だったんだろう
だって暇なんだもん
お前から話振ってきたんだから付き合えよな
A「……刀を、本来の用途で使ったこと」
今まで使ってた刀なんて模造刀ばっかで、俺をかっこよく見せるためのアクセサリーだった
まさかガチモン振り回すことになるなんて……
A「それで何かを斬ったこと」
銃刀法違反で捕まりたくないから嫌だったのに、みんなひょいひょい首落としてくからテンションあがっちゃったじゃないか
……ほんとに最初はやる気なかったぞ？
み、みんながやるから……(小学生の言い訳)
A「この手で、誰かを守れたこと」
k高の先輩にビビりまくって半泣きだった所を小学生の女の子に助けられた記憶が蘇る
うっ、頭が
こんな俺が自分怪我してまで誰か庇うとか俺の母さん聞いたら心臓発作で死ぬぞ
A「…………全部、全部初めてだったんだ」
意味ありげに見つめていた右の掌を意味ありげにぎゅっと握る
それがどういった意味を込めるかは知らないけど、何となく悲壮感があってかっこいい気がする
それはきっとバカな扇にだって分かるはずだ
だからそうやって黙ってるんだろ？
だからそうやって下向いてプルプル震えてるんだろ？？
まぁしかたねぇよ、俺かっこいいし
心の中のニヤニヤが表に出そうになるのを唇を噛むことでどうにか耐える
あっ、唇切れた
扇「九条っ！！」
A「っ！？」
滲んだ血を拭おうと腕を上げたところで、扇が勢いよく立ち上がり、布団を踏み散らし近づいてくる
前髪から覗いた目は怒気に満ち満ちていて、口元は憎し気に噛み締められていた
あれ、なんで怒るの(パニック)
突然の豹変に恐怖心と警戒心がグンッとはね上がる
すぐさま逃げようとするが、背中の傷のお陰で立ち上がるどころか横にずれることもできない
そうこうしているうちに気付けば扇は俺の目の前に立っていて、ぐいと俺の着物の襟を掴みあげた
上にずれた着物に擦られ、背中の傷がジンジンと疼く
痛みに顔を歪める俺に、怒りを隠そうともしない扇はさらに手の力を強めた
首元が絞まって苦しい
扇「ふざっけんじゃねぇよ……っ！そんな、そんなことで…………！！！」
こいつが何を言ってるのかも、ポロポロ零れてくる涙の意味も分からない
でも
俺、流石にキレたわ
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凛音 - 本当に面白いです！続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！ (9月26日 19時) (
レス) @page40 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 中二病の主人公！新しくて大好きです！続きとても楽しみに待っております！ (7月18日 19時) (レス) @page40 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーぬぬーぬぬー - 続きをお恵みください… (2022年11月23日 0時) (レス) @page40 id: 8435a17515 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年9月24日 19時) (レス) @page40 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
YM - このお話大好きです！作者様の負担にならない程度に更新してくださると嬉しいです (2021年12月27日 15時) (レス) id: 0c982d92bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご
| 作成日時：2018年5月13日 18時
