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帰りのバス。
じゃんけんで勝ったらしいウォヌが私の隣へと座った。
そして優しいウォヌは窓側の席を譲ってくれた。
ホシ「あ、これ!」
ウォヌの通路横を挟んだ隣のホシくんがガサゴソとリュックを漁って私たち5人に渡してきたのは
「キットカット!」
すっかり忘れてたよ〜と受け取りあとで食べよう、とポケットにしまおうとすると
ジュン「Aちゃん交換しよう」
バスでも私の後ろの席に座るジュンくんの手が窓際の隙間を通って私の手に触れた。
「?うん、はい」
同じ味のキットカットだけど?と思いながらも受け取り、私のをあげて交換する。
「キットカットって美味しいよね」
ウォヌ「美味しいけど、、いきなりなに笑」
「ホシくんが選んでくれたんだよね?ありがとう〜」
ウォヌの隣にいるホシくんに声をかけるけど
ホシ「俺じゃなくて、選んだのはジュナだよ〜!」
ホシ「ジュナがAちゃんお菓子パーティーのときキットカット嬉しそうに食べ…」
ジュン「ホシ!!」
ホシ「あ、ごめんごめん!」
たしかに、お菓子パーティーのとき食べてたな…
よくそんなの覚えてるなあ、とぼんやり思って交換したキットカットを食べようとすると
「…ふふ、」
外袋パッケージ裏のメッセージ欄に
“ありがとう”
とジュンくんが書いた文字が。
後ろにいるジュンくんを窓の方の隙間から覗き込んで「ありがとう」と言って前を向く。
ジュンくんはすやすや眠りに入っていた。
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作者名:tea | 作成日時:2021年11月25日 14時