怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ37)

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Ⅳ-87個目　楽しい楽しい仕掛け人ーページ37

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『シュヴァルツの言うとおりだ。私もいるから落ち着け』

後ろから俺の肩をポンッ、と手を置いたのはアインスだった。

『俺もいるぞ、A』

いつの間にか隣にルディもいた。

何だ…何なんだ、この五人は…。

空間に漂う圧迫感に息が詰まる。

でも…でも、読めてきた。

“俺を試す”と“この五人”。

…間違いないな。

「お前ら全員仕掛け人か…」

ため息混じりに神を見ながら言うと、神の口元が緩んだ。

『そうだ。我らは仕掛け人。

アインスの使命だろうと、意思は全てがAのもの。
Aの行動がアインスの使命を果たすか、我らは見ていたのだ』

俺は力を抜いてその場に座り込む。

「くっそ…それじゃあ俺は神の掌で踊らされていたってことかよ…」

素直な感想は、気に食わない。

神はここまで計算していたのだろうからな。

『そういうことだ。お前はアインスの使命を果たせたからここにいる。
もし、果たせなかったら…』

声のトーンが低くなる。

『レアルカの父、サタンが出現するところだったぞ』

その言葉にゾッとする。

サタンはヤバイだろ、サタンは。

この世すぐに消滅するわ。

『A、俺達はお前を監視及びある判定をしていたんだ』

ふと、ルディが口を開いた。

「判定…？それはなんだ？」

聞くと、ルディは肩をすくめた。

『そう、判定。Aが一人の人間として“生まれ変われるか”っていうの』

「!!」

そうだ、俺は早く生まれ変わって皆に会わなければ。

俺は立ち上がって神に向き直る。

「………判定は？」

視線の先の神は、しばらく唸ってからその答えを出した。

『＿＿＿不合格』

神の言葉は重く、俺の手足を鎖が巻き付くような感覚がした。

焦りで心臓がバクバクと五月蠅く鳴り始める。

足に力が入らず、膝から崩れ落ちそうになった。

そんな俺を、ルディが支えてくれる。

『不合格…？』

殺気の籠もったアインスの声。

『何故だ？私からすればAは合格ではないか!!』

声を荒げるアインスは、俺を本気で生まれ変わらせようとしていたのがわかった。

『それは俺も聞きたいね』

俺の前にシュヴァルツが立つ。

『どう見てもこれは合格だ。そんなこと、神が一番わかっているだろう？』

レアルカも俺の前に立った。

さっきまで敵だと思っていた彼は、今や頼れるほどの安心さを感じる。

悪い人ではないのかもしれない…。