怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ36)

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Ⅳ-86個目　神の世界ページ36

｛Aside｝

気がつくと、俺は『白い空間』に立っていた。

いつかアインスと初めて会った時のことを思い出す。

ってことは…ここは俺の心の中？…いや、俺は壊れたはずだ。心なんてあるわけない。

じゃあ…死後の世界か…？

悩んでいると、とてつもない力を感じた。

ハッとして辺りを見回すと、俺の目の前が眩しい光に包まれる。

「っ…」

腕で視界を遮り、数秒。

『＿＿ようこそ、我が世界へ』

女の声にも男の声にも、老人の声にも聞こえる、不思議な感覚。

でも…何処かで聞いたことはあるのだ。

何だったっけ…？

しばらく頭をひねると、出てきた。

そういえば、『偶然なんかこの世に無い。有るのは必然だけだ』とかなんとか言ってたな。

誰かが。

『＿＿＿＿い、おいッ!!おい、お前だ!!Aだ!!』

「…あっ、忘れてた」

視界を遮っていた腕を取り、目の前にいるであろう人物を見る。

その人は白いローブを羽織っていて、表情は隠されているため、女性か男性かはわからない。

「えっと…どちら様でしょうか。それからここは何処です？俺は死んでいるのでしょうか」

とりあえず、相手の個人情報、ここの地名、俺の生死を聞き出そう。

『そういうのは、自分から名乗るのではないか？』

「いや、さっき思い切り俺の名前呼んでただろ」

『…ちっ』

「ちって何だよ。ちって」

舌打ちか、おぉ？

『…我は神。まぁ好きなように呼んでくれ。そしてここは我ら神の世界だ。
勿論、お前は死んでいるぞ』

神…？

「本当に？」

『あぁ』

見た感じ、嘘は言ってなさそう。

『A、我はお前を試していたのだ。ずっとな』

「はっ…？」

神は…何を言っている？

『アインスの生まれ変わりであるお前は、仲間を守るという使命を受けて生きていた。
アインスが、本当に守るか試していたと、我は言っているのだ』

は？試していた？俺を？

…意味が分からない。

ここに来てから働かせてばかりの自分の脳。

ごめんね、後でちゃんと休ませるから。

『だから俺が悪役として登場したってわけ』

と、何処からかレアルカが出てきた。

彼はピンピンしてて、黒いローブに身を包んでいる。

その背中からは、アインスのような真っ黒い翼が…って。

「何でお前がいんの？」

アインスとシュヴァルツが殺したんじゃ…

『まぁA。聞きなさい』

シュヴァルツも現れた。