怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ34)

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Ⅳ-84個目　全てが終わるページ34

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「男なら、女一人死ぬぐらいで泣くなバーカ」

＿＿うっさい…うっさいわ、くそっ…お前がどれだけ大切な奴だと…!!

「俺だってお前らが大切だよ。だからこそ、守りたいんだ」

＿＿だからって…!!こんな運命あんまりだぁッ…!!

瞬間、俺の頬が暖かい何かに包まれた。

けれど、目の前にはレアルカとアインス、それから悪魔しかいなかった。

「…いい加減泣き止めグルッペン・フューラー」

「!!」

すぐ近くに、Aがいる。

自分の、目の前に。

「これはな、俺の問題なんだ。グルッペンが悩む必要なんて、一切無い。

こんな運命？ハッ、そんなんお前らを守るためならいくらでも乗り越えてやるわ。

でもな、俺だって嫌だ。

死にたくない。お前らと一緒にいたい。

もっともっとたくさん、楽しい思い出を作っていきたい」

＿＿なら…!!

「なら、じゃねぇんだよ。

結局俺はアインスの生まれ変わりであって、使命を授かってここにいる。

“仲間を守る”という、天使からの使命。

これで使命を果たせるのなら、

俺の命一つで、皆を守れるのなら、

それで十分なんだよ」

＿＿っ…!!

「ほら、見ろ。アインスがシュヴァルツの力を借りて戦っている。
二人で、凶悪な悪魔達を倒している。

…俺の体は、多分壊れてしまうだろうから、そのまま埋葬してくれよ」

＿＿っ…そんなことを言うなッ…

「あと、これが終わったら俺の胸ポケット、漁ってみてくれ。お前に俺からの些細ながらもプレゼントがあるから」

俺の頬からぬくもりが消える。

レアルカとの勝負はつきそうだった。

「…それから」

Aが、囁く。

「死んでも俺は、生まれ変わってお前らに会いに行くよ。あの世で呑気にお前らを待ってるなんていうクソ面倒いことはしねぇ。

今が本当の別れじゃない。

大丈夫。俺は必ず、お前らを探す。

…だから、お前らも俺を探せよ？」

「ギャァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」

空気を劈くレアルカの悲鳴が辺りに響き渡った。

気がつけば、全てが終わっていた。

跡形も無く消えていくレアルカと悪魔達。

今いるこの空間が歪み、俺達は隣町の大きな廃墟にたたずんでいた。

「終わった……？」

ハルの、力の無い声と同時に、何かが崩れ落ちる音。

きっと、ハルが座り込んだのだろう。

でも、そんなことはどうでもよかった。

力の入らない足をどうにか踏ん張って、奥に倒れているAに駆け寄る。