怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ23)

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Ⅳ-73個目　絶望ページ23

［NOside］

それからの彼らは絶望的だった。

武器が、まったく通用しない。

そこら辺にいるゾンビ達には効いていたのに、いきなり現れたバケモノに傷一つ付けられないのだ。

「何や、こいつ…!!」

さっきから隙をみては攻撃しているゾムが顔を顰める。

「(固い…こいつの体自体が金剛石みたいや)」

刃毀れしてしまったサバイバルナイフを見つめる。

＿＿あと、どれくらい保つだろうか。

チラリと、ゾムは一緒に戦っている仲間達に視線を向ける。

皆、ボロボロになりつつもバケモノに立ち向かっていた。

その中に、青色のイブニングドレスを着たAが目に入る。

レアルカと対峙しているAは、誰もが『限界なのでは』と思うほどボロボロだった。

「くっ…弾が切れた…ッ!!」

グルッペンの焦った声。

それに続き、狙撃銃を使っていた仲間達が弾切れを口々に叫ぶ。

しかし、銃だけではない。

剣や、シャベル、ナイフも限界を迎えていた。

目の前には、ピンピンしている最強のバケモノ。

あんなの、こんな刃毀れしている武器で倒せるはずがなかった。

それでも、ゾムは諦めずに戦う。

「(Aも頑張って戦っているんや。俺が、男である俺がこんなんでへばってたらあかん。少しでも勝機を上げるために、攻撃を…!!)」

｛Aside｝

「はぁっ…はぁっ…」

「さっきの威勢はどうした、A。息が切れているじゃないか。俺をさっさと倒すんだろ？」

頬を伝う汗を腕で拭いながら、レアルカを睨む。

…あいつ、ことごとく攻撃が当たらない。

まるで煙を相手にしているようだ。

くっそ…。

どうやったら倒せるか必死に思考を巡らせていると、レアルカが指を鳴らした。

「!!」

瞬間。

7体のレアルカが現れた。

このタイミングで分身…だと…!？

「こっちのほうが面白そうだからな。Aが苦しむ姿をもっと見たい」

気持ち悪い笑みを浮かべるレアルカに、マジで吐き気する。

うえぇ…←

「ドが付くほどのSだな…」

「分身のお前とヤった時も俺はSでAはMだったぞ？」

「今日一番聞きたくなかった、それ」

ここには純粋な子も見に来てるんだぞ!!

どうしてくれんだ!!

え？ゾムとDキスした時点でアウトだって？

…気にしたら負けだ。

「A、貴様はまだ心にゆとりがあるようだが」

あら、大正解ですわよ？

「お前の仲間を見れば、そのゆとりも壊れるよなぁ？」

そこでハッとし、後ろを見た。