怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ2)

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Ⅳ-52個目　俺達のもの、俺のモノページ2

［NOside］

レアルカの部屋で、グルッペン達が見たものはあまりにも卑劣で惨たらしいものだった。

Aの真っ白な胸元に咲く、赤い華。

荒れた息。

紅潮した頬。

これに誰が怒りを抑えられるというのだろうか。

「おまえ……!!!!」

「Aに……何をしたぁあああ!!!!!!」

ヒラとグルッペンの怒りの声に、ハルとトントンが原因であろうレアルカへ斬りかかる。

それを合図に全員が動き出した。

Aは、自分を助けようと駆けつけてくれる彼らを見て、顔を歪めた。

「だ…め…ぇ、来ないで…!」

しかし、その言葉はさっきから抱き締めているレアルカにしか届かない。

レアルカはニヤリと気味の悪い笑顔を浮かべると、手を一振りした。

瞬間、突風が起きてグルッペン達は吹き飛ばされる。

Aに近付けられないように。

「ぐあッ…」

「くっそ…!!」

近付きたくても近付けないもどかしさにさらに怒りが込み上げる。

「くっくっく…まぁ、話を聞けよ」

レアルカはそう言って、話し出した。

「正直、お前らがこんなにも早くここを攻めてくるなんて思っていなかった。
そこは素直に褒めてやろう」

「ちっ…お前みたいな糞野郎なんかに褒められてもなんも嬉しくないわ!!」

ショッピの殺気が込められた言葉にレアルカはクツクツと笑う。

「それならそれで結構。
ところで…背中の傷、綺麗に消えたんだってな。Aが殺したはずの男もピンピンとしてやがる。
…そこにいる“天使”の仕業か？」

レアルカの視線の先には、怒りで呼吸を乱しているルディがいた。

「…あぁ、そうだよ。僕が助けた」

鋭い眼光でレアルカを睨み付けるルディ。

「面倒な奴がこいつらの味方をしやがって…不愉快だ」

レアルカの笑顔が一気に消え、冷酷な無表情になる。

「や…め、て…レアルカ…」

そんなレアルカに何かを感じ取ったのか、彼の腕の中でぐったりしているAが弱々しく、口を開いた。

「うるさいぞ、A。あとでたっぷりシてやるから黙ってろ」

その言葉によって、グルッペン達の中で何かが切れた。

「…は？ふざけるのも、大概にしろよ」

キヨのナイフを握る手に力が込められる。

「なにAが自分の物だとほざいているん…？」

ギリギリとコネシマの剣が音を立てる。

「言っておくがAは俺のモノだ。本人もそれを承諾している。だからお前らが何を言おうとAを渡すことはできない」

この空間には重く纏わり付くような気持ち悪い空気が流れていた。