怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ1)

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Ⅳ-51個目　城へようこそページ1

【グルッペンside】

一足先にレアルカのいる城へ向かったAに合流するため、ルディの後をついて行く。

Aがカクハ達も連れてこい、というので手錠を外して彼らも一緒だ。

「こっちだよ、ここに城への入り口が隠されている」

着いたのは隣町の少し遠い出入り口。

そこをルディが指差している。

「＿＿＿＿」

ルディは何語かわからない言語で言うと、空間がねじ曲がる。

この先に、A達がいる。

それぞれ武器を持って、その中に入った。

中は、とにかく広くてとにかく暗かった。

ルディの手に出現した炎が無かったら、まず間違いなく道に迷って仲間とはぐれてしまうだろう。

流石は…神様だ。

「…皆、ほら…そこ」

と、ハルが指差した所にはAが見せてくれた実験の失敗作＿＿ゾンビが彷徨っていた。

「静かに移動しよう。今ここでバレたらAに迷惑がかかる」

くられ先生の言葉に全員で頷き、慎重に進んだ。

その後は特に何も無く、合流地点であるレアルカの部屋にたどり着いた。

俺達の行く手を阻むかのように重々しい石の扉に手をかけた。

深呼吸をして、手に力を入れる。

ギギギギギ…と音を立てながら、扉が開く。

月明かりに照らされた広い部屋に、二つのシルエットが見えた。

レアルカとAだ。

～少し時は遡る～

｛Aside｝

俺は皆より一足先にレアルカのいる城へ来た。

玄関から入るとゾンビ達がお出迎えしてくれる。

「…消えろ。そこにいると邪魔だ」

手に持っていたナイフでゾンビ共の首をかっ斬り、そのまま頭をぶっ刺す。

服に血が付かないようにして、殺す。

こいつらは人間じゃないから殺してもなんとも思わない。

実験って言っても死体を使ったものだしな。

「…さっさと行こう」

前に進んだ。

レアルカの部屋に着いて躊躇いもせずに扉を開ける。

「お、A。帰ってきたか」

レアルカが俺に気付いて奥にある椅子から降りた。

「何処行ってたんだ？」

「散歩だ。四六時中お前と一緒だと息が詰まるからな」

素っ気なく返してレアルカの近くに行く。

「…そうか。ならいい」

俺の腰を引き寄せて、顔を近づけてくるレアルカ。

……。

目を閉じて、素直に受け入れる。

もう…本当に引き返せないんだ。

大丈夫。俺は…。

しばらくして、グルッペン達の気配が扉の向こうからした。

石の扉がゆっくりと開く。

あぁ…やっと来た。