ママにあいたい。【文豪ストレイドッグス】【ママにあいたい。】

＊二十四 ページ24

＊ ＊ ＊ ＊




「それだとおかしくないか？４番目が居ない。聞き間違いじゃないのか？」



「確かに……聞き間違いかなぁ……？」



先程の１番目のお兄ちゃんの言葉を思い返してみたが、４番目の説明が抜けていた。



外を沢山歩き回ったけれど、僕はまだ４番目の人だけは出会えていない。



「姉以外は知らないな。まだ会ったことが無い。



会わないなりに理由があったりするのか……？」



「ちょっと気になる……聞いてみる」



「嗚呼。頼んだぞ」



意外とまだ分からない事が沢山あるみたいだった。



お兄ちゃんは後回しにしてもいいと云ったけど、僕も４番目について何もわからないともやもやする。



今は４番目の人について調べてみよう。



＊ ＊ ＊ ＊





・





ｶﾞﾝｯ!!!!!




大きくて耳障りな音が耳を通って頭に反響する。



辺りが暗転し、外は不気味な雰囲気へとがらりと変わった。



(カンシだ……！)



逃げなきゃ。安全な場所へ。



足は勝手に動き出し、本能に従って走る。



距離は取れたが後ろにはカンシがいて、僕の行く手の先には＿＿もう一体のカンシ。



「もしかしてカンシって、1体だけじゃない……？！」



このまま突き進めば先にいるカンシが、引き返せば先程のカンシにやられてしまう。



(……あれ？)




2体目のカンシは、何かに阻まれているかのように僕を襲おうとする気配が無い。



いける。これなら！



僕はこの先にある空間が安全な事を願って駆け出した。





＿＿カンシの横をすれ違う時に薄らと見えた、１番目と２番目のお兄ちゃん。



カンシから僕を守ってくれている光景に、心の中で深い感謝をした。

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