やりすぎた ページ5
私は運動神経がいい方でも悪い方でもない。
だから体育はそこまで嫌いじゃない。
というか、スポーツはするのも見るのも好きだから、基本体育は好きだ。
…というわけで、今から体育がある。
未だにぼっちな私は、1人で体育館へ向かった。
先「今日はクラス対抗でバレーをするぞー」
バレーかぁ…
野球やらないのかな…
先「チームはこっちで決めておいた」
そう言って、先生はチームを発表し始めた。
…よく考えたら、クラス対抗だから朱里ちゃ…朱里のチームと当たる可能性が…
それはそれで嫌だ…
1人で悩んでいると、「速水さんこっちこっち!」と呼ばれて、慌ててそっちへ向かった。
今日は男子と女子でそれぞれ2試合ずつするそうだ。
私はB-Cチームで、朱里はA-Cチーム、御幸君はB-Bチーム。
つまり、私は朱里のチームと当たるわけだ。
…嫌だなぁ…
とりあえず整列して、挨拶をする。
朱「手加減しないからねー!」
「勘弁してください…」
試合が始まって、応援が飛び交うようになった。
本当は試合に集中しなきゃいけないんだろうけど、私は御幸君が気になってしょうがない。
どうか、何も起きませんように…
変な所見られませんように…
背の高い私は、ブロックを頑張ることにしていた。
ただ、相手はスポーツなら何をさせてもハイレベルな朱里。
なかなか止められないのが現状です。
女「佐倉さん頑張ってー!」
女「いけー朱里ー!」
うわ…朱里大人気…
応援の効果もあってか、朱里は今日3本目のスパイクを決めて私の前に来た。
「絶好調ですね」
朱「天才朱里ちゃんのスパイク…止められるかな?」
朱里はふっふっふ…と不敵な笑みを浮かべた。
御幸君が見ている(かもしれない)中で朱里の殺人スパイクを止められたら、(もしかしたら)御幸君はこっちを向いてくれる(かもしれない)。
だから、次のスパイクは絶対に止めてやろうと思った。
相手のサーブで体制を崩した私のチームは、すごく打ち返しやすいボールを返してしまった。
これは、くる。
案の定、ボールは朱里へ上げられようとしていた。
私はぐっと足に力を込め、朱里の手がボールに触れる直前に飛び上がった。
あ、しまった、跳びすぎt…
「ぶッ」
顔面に朱里のスパイクが直撃して、私は床に倒れ込んだ。
35人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みゆき | 作成日時:2016年10月10日 0時