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変な男にのまれるなよ
目の前にいる目黒君はそんな事を言って私を経理課から連れ出した。
「目黒君」
「ん?」
「抜けはないよ」
「まじか。やった。俺これで定時で上がれる」
最近は書類の抜けも無くなった目黒君
慣れたという証拠だろうな
食堂で2人で向かい合ってご飯食べて居るがこの目の前にいるイケメンに好きな人が居ないのが謎だ。
「…A
あの男まじで危険だからな」
「部長のこと?」
「うん。やばい」
「目黒君のやばいはマジでやばい時だよね」
「うん。そのマジでやばい」
そういえばしっかりと聞いたこと無かったな。
お茶を飲みながら目黒君の方を見ると目黒君は私の目を見ながら言った。
「乙木さんと付き合いながらお前狙ってるからな?」
「…またまたぁ」
「嘘じゃない。ていうかもっとやばいのやってるから」
「詳しいね。目黒君」
そう声をかけると目をそらされた。
「…私、あの人を守る為なら自分の身なんてどうなっても良いって思うんだ」
「……え?」
「大好きな人が笑顔なら私はその笑顔を守りたい…ってね」
なーんてと言いながらお茶を飲むと目黒君は少し悲しそうな顔をした後に「少し人が居ないところで話したい」と呟いた。
2人で食堂を出て向かったのは屋上だった。
立ち入り禁止だから誰も来ない。
外に出ると涼しい風が吹いていた。
春って感じの風だな
目黒君は何も言わずにドアに背を預けて座り込んだ。
そして、少し下を向いて懐かしそうに話し出した。
「俺さ、好きな人が居たんだよ」
「…うん」
「その人は俺がここに来た時初めて会った人で
大人しそうに見えて明るくて仕事一筋でさ。
…危なっかしくてほっとけない人だったんだ。
気づいたら好きになってた。
この人が笑ってくれたら…俺はどんな事があっても乗り越えられるって。」
目黒君の話す内容が何処と無く今の私と重なった。
目の前は綺麗な青空に喧騒な街の音と風の音が聴こえる。
「…でもさ。その人は俺の憧れの人と結婚した」
「……え」
「俺が隣に立ちたいと思ったけど憧れの人が隣に立った。好きな人の苦しい所も全て受け止めて
憧れの人は好きな人の全てを守ってくれた。
俺は悔しかったし悲しかったけど
すげぇ嬉しかったな。」
その時の目黒君は悲しそうではなく嬉しそうに微笑んでいた。
「阿部ちゃんも憧れの人と同じ事をすると俺は思うよ」
目黒君
「…ありがとう」
私は自然と感謝の言葉が溢れていた。
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0812melogappa(プロフ) - 続きが気になります(*ノωノ) (8月23日 14時) (レス) @page32 id: 10543042ed (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - 777さん» コメントありがとうございます!とても光栄です。番外編は今の所考えていませんでしたが考えてみようかなと思います。更新速度が遅いので待たせてしまうことが多いと思いますがこれからも、頑張っていきますね。ありがとうございます! (6月25日 23時) (レス) id: ba10b9968b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - hirarin1106さん» コメントありがとうございます!そう言ってくださりとても嬉しいです。かっこよく書けているかを毎回不安になりながら何度も確認していますがとても安心しました。更新速度が遅いですがこれからも頑張っていきますね! (6月25日 23時) (レス) @page32 id: ba10b9968b (このIDを非表示/違反報告)
777 - このお話し最高です。好きすぎます。番外編としてで構わないので、この二人の裏のお話も読んでみたいです!意外に嫉妬深くて独占欲が強かったり、ドSに攻めてる阿部くんキュンとします。 (6月21日 2時) (レス) id: 07ae00cca1 (このIDを非表示/違反報告)
hirarin1106(プロフ) - このお話大好きです。阿部さんがかっこよすぎて胸がギュンってなります🥺これからも更新楽しみにしています。 (6月11日 23時) (レス) id: d2c13454fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル春 | 作成日時:2022年4月6日 2時