抱き寄せて愛して 3 【緑】

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「可愛い、照れてる」


「、言わないで」


阿部さんの笑う声が浴室に響く。

シャワーの音や水の流れる音が聞こえるとその音が止み浴槽の中に浸かる音がした。


「A、顔見せて？」

「…だ、め」

「なんで？」

「……恥ずかしい」


そう言うと手首を優しく掴まれて顔から離された。

ゆっくり目を開け後ろを振り返ると髪も濡れた彼が私と目が合うと優しく微笑んだ。

「頑張り屋さんな彼女は俺の前だと照れ屋で可愛いね」

「…、あざといのにかっこいいです」

「ははっ、あざとい？」

「…はい。優しくて…大人で

…っ好きです」


お風呂の温度なのか顔が熱くなる。浴室に響く私の声はか細く少しだけ震えていて彼の手をギュッと握ることしか出来なかった。


彼と目が合うと彼は私に近づき私の腰に触れた。

お湯の中なのに彼の手が私の肌に触れている感触がしてビクッと驚くと彼は私にキスをした。


キスする時の音が凄くはっきりと聞こえる。


「……明日仕事お休みだよね？」

「…阿部さん」

「何？」

「……、ギュッてしてください。」


そう伝えると彼は私を強く抱きしめた。

そして、どちらともなくキスをする。

2人とも髪は濡れているから汗かお湯なのか頬を伝う


「っもっと」


「はぁ、っ久しぶりにさ

抱いていい？」


わざわざ聞くのは彼のいい所だ。

流れに身を任すより

相手に了承を得るところ



彼の首に腕を回して頷くと彼は私の頬を包み込むかのように触れキスをした。








「、ぁ、はぁ」

いつぶりか彼女に触れた。


ベッドに寝かせると何故かいつの間にか彼女が俺の上にいた。


怒っていないと言えば嘘になるが

『一人前になりたいので頑張ります

阿部さんもお疲れですし今日は早く帰れるんですから

大丈夫ですよ。お疲れ様です』


あんなこと言われたらほっとけない。
もう少し俺を頼れと思うし

手伝わない周りにも怒りは来るし



「A…？」

「、だ、ぁ」


寝不足なのにこんなにこの子を抱いていいのかと思う。

寝かせないといけないのに




「A、もう、やめる？」

そう聞いてみると彼女は首を横に振り「いや」といった。濡れた髪から落ちる雫がポタッと俺のお腹に落ちる。


「、髪拭こう。風邪ひく」

「っ、愛してるんです」

「…え？」

「、貴方を愛してるから

ぁ、好きで」




多分、眠ってないからキャパオーバーしてる。


いや、それか

「もしかして、不安？」



君も俺と同じ気持ちなのかなって思った。

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