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「あの、何故」
夕方の光が部屋に差し込む
目の前に座る数人の会社の上司が顔を見合わせて困った感じに話した。
「正直に話すと、ニエベのお嬢さんが岩本君の事を気に入ったらしくてね。婚約したいと言ってるんだ」
「…じゃあ、私は邪魔だから異動ですか？」
「いや、そうではない。君の仕事を見込んで」
目の前にいる人達の目を見て嘘だと分かる
邪魔なんだろう
そして
「ニエベの方がどうしてもと」
多分私が彼とお付き合いしてる事を快く思う人はいないだろう。
「この事は内密にな。
3月後半に知ることが前提だからね」
それまで私達の秘密ということか。
今日が1月初週
ずっと黙って3月後半まで過ごすのか
「矢笠君、大事にはしたくないんだ」
多分、私よりも……
「…分かりました。」
「！良いのかい」
「私にはそれしかないので」
少しの魔法のような夢だったと
そう思った方が傷つかずに済むだろう
私は笑顔で頷いて自分の心に言い聞かせた。
マフラーを巻いて会社から出ると彼が近くの柱の傍に立っていた。
「おつかれ」
「お疲れ様です」
「大丈夫だった？」
「はい。企画の話で少し」
岩本さんはほっとした表情を見せて「送るよ」と言ってくれた。
嘘をつけてるなら私はそれでいい。
でも、今目の前にいる彼と
少しでも
「…岩本さん」
「ん？」
「私今が凄く幸せです」
幸せな記憶を思い出を作れたらそれだけでいいのだ。
岩本さんはその言葉を聞いて嬉しそうに微笑み私の手に触れた。
車の中でいろんな話をしていると叶えられる夢と叶えられない夢があるのではと思った。
デートをしたい
お泊まりしたい
プレゼントをあげたい
ドライブをしたい
メモ帳の後ろのページに書く
これは叶えたいな
でも出来ればでいい叶えられなくてもいい
彼ともっと特別なことをしたい
一夜を過ごしたい
ペンを置き「一夜を過ごしたい」の文字を塗りつぶす
黒でグルグルと
多分これをすると私は忘れられなくなる
だからダメだ
忘れないといけない
お見合いが偶然彼だっただけで本当は結ばれるはずではないのだから
メモ帳をバッグの中に入れた
叶えられたものには印をつけよう
そして4月になったら静かに居なくなろう
神さまお願いです
3月まで
3月まででいいです。
どうか夢を見させて下さい。
泣きそうになる目を抑えて涙を堪える。
泣くな
泣いたらダメだ
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ハル春(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。更新が1ヶ月近くなく待たせてしまいすみません。ようやく話も形になってきたので続編が完成しました！素敵な話になるようこれからも頑張っていきますね！ (2022年5月28日 8時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - 名前さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。照れてしまいました。私はまだまだ自分の書き方は駄目だと思っているので日々精進しかないなと思っていますがそう言って下さりとても嬉しいです。ありがとうございます。これからも頑張っていきますね (2022年5月28日 8時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - くみさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。早く気づいて！となんかハラハラしますよね。彼ら二人が幸せになるよう頑張って更新していきますね。 (2022年5月28日 7時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - orzさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。お金で買えるもの買えないものあるんだぞ！って言いたくなりますよね笑。書きながら思う時あります。これからも更新頑張っていきますね。 (2022年5月28日 7時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。主人公さんがあまりにも悲しいと書きながら思ってしまいます。早く幸せになるよう頑張って更新していきますね！ (2022年5月28日 7時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2021年10月18日 0時
