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『…ぁ、……』
「…？岩本さん」
『えっと、…お見合いなんだけど』
あ
聞きたい気持ちもある。
けど、どこかで聞きたくない気持ちもある。
私はベッドから立ち上がり部屋の中をグルグルと歩きながら話した。
「あの、岩本さん。
大丈夫ですよ。あ、えっと、分かりますから
何を言いたいか」
『…俺が、』
「、言わないで」
そう呟くと声が止まる。
どうしよう
言わないでって
戸惑うと岩本さんは落ち着いた声で話した。
『断った』
「……え、」
『ニエベ会社の娘さんとのお見合い断った』
ビックリして立ち止まり黙ってしまうと岩本さんはクスクスと笑っていた。
「え、あの、専務とか。
岩本さん、見合った人をって」
『今日、Aさんお会い出来ますか？』
「…え、あ…はい」
『じゃあ、以前一緒に行った図書館の前で9時頃』
その後電話はきれたけど
お見合い断ったってなんで？
驚いてしまっても私はその場から動けなかった。
そして、準備をして約束の時間少し前に行くと身長の高い男性がそこにはもうついていた。
「岩本さん」
声をかけるとこっちを向いたが
「その頬どうしたんですか？」
左の頬に爪で少しだけ引っ掻いたような跡が
「これ？
昨日お断りしますって言ったら一発御令嬢に殴られた」
「な、殴られた？！」
大丈夫なのかと咄嗟にその頬に手を伸ばそうとしたらその手を掴まれた。
一歩距離が近くなると岩本さんは私をぎゅうっと抱きしめた。
初めてかも
ここまで距離が近いの
驚いて何も出来ないでいると岩本さんは私の髪に触れながら離れた。
髪に触れる手がスルっと私の頬に触れる。
大きな手が私の頬に触れるからなんか恥ずかしい。
目線を下の方におろすと「可愛い」と岩本さんは呟いていた。
「仕事の話しかしないだろうなと思ったら
Aさんは、趣味や好きな物とかの話だったよね？」
「…そ、え」
頬の手が少し開いた唇をなぞるから何も話せない。
細い指がまるで私を味わうかのよう
「…分かんないけど
昨日綺麗な外の景色を見ていたら
どうしても将来を考えたら隣は君がいいって思ったんだ。」
将来
君がいい
この人の言う言葉の単語がどういう意味か分かると
心臓がうるさくてうるさくて息は上手くできなくて
声も出なくて
下を向いて顔を隠そうとしたら腕を掴まれて足が動いた。
自分の意思なのかそれとも彼の意思なのか
駐車場にある車の鍵が開く音が響いた
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ハル春(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。更新が1ヶ月近くなく待たせてしまいすみません。ようやく話も形になってきたので続編が完成しました！素敵な話になるようこれからも頑張っていきますね！ (2022年5月28日 8時) (
レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - 名前さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。照れてしまいました。私はまだまだ自分の書き方は駄目だと思っているので日々精進しかないなと思っていますがそう言って下さりとても嬉しいです。ありがとうございます。これからも頑張っていきますね (2022年5月28日 8時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - くみさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。早く気づいて！となんかハラハラしますよね。彼ら二人が幸せになるよう頑張って更新していきますね。 (2022年5月28日 7時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - orzさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。お金で買えるもの買えないものあるんだぞ！って言いたくなりますよね笑。書きながら思う時あります。これからも更新頑張っていきますね。 (2022年5月28日 7時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまいすみません。主人公さんがあまりにも悲しいと書きながら思ってしまいます。早く幸せになるよう頑張って更新していきますね！ (2022年5月28日 7時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2021年10月18日 0時
