夢の中でくらい。,2 ページ49
*I-side
伊藤「っ!!」
瞬間、俺は跳ね起きた。
背中が冷や汗でぐっしょり濡れている。
……また嫌な夢を見た。
「お兄ちゃん……?」
伊藤「っA……」
廊下から眠たげなAの声が聞こえ、
返事をすると瞼を擦りながら妹が部屋に
入ってきた。
「うなされてたけど……だいじょうぶ?」
伊藤「うん……ちょっとね、怖い夢見てた」
「一緒に寝てあげようか?」
伊藤「……ふはっ、大丈夫だよ。ありがとう」
「そう……? ふぁあ……」
伊藤「起こしちゃってごめん。おやすみ、A」
「ん……おやすみ……」
妹はふにゃりと手を振って扉を閉めた。
……のを確認して、深く息を吐く。
小さい頃からたまに見る“悪夢”。
取りつかれてるような、俺自身でもあるような
不思議な夢で、あまり寝起きは良くない。
伊藤「くそ…」
暫く眠れそうにない。
というか、またあの夢を見そうで
怖くて眠れなかった。
喉も乾いたし、水でも飲もうかと
部屋の扉を開けたら
部屋に戻ったはずのAが目の前に。
伊藤「えっ……」
「暫く眠れないでしょ?おしゃべりしよ」
伊藤「……うん」
自分は眠いくせに、そうやっていつも
俺の心の中に入って、温めてくれる。
大切な、大切な妹。
夢の中の俺だろうと、傷つけるのは許せない。
伊藤「……A」
「ん?」
伊藤「……“お兄ちゃん大好き”って言って?」
「えー、またぁ?」
クスクスと笑ってから、
その“台詞”を俺に言ってくれた。
それはいつも、ストッパーになっている。
伊藤「ん。俺もだーいすき」
「はいはい。ほら、お布団に入って」
伊藤「Aも一緒に寝る?」
「んー……そだね。久々に寝ようかな」
伊藤「よしっ、おいで」
ごそごそと同じ布団に入ってくる小さな体。
それは温かくて、細くて、柔らかい。
命にかけても、この子を守りたいと、
.
──夢の中でくらい
──“妹じゃない君”を愛させて
.
.
以上、ダーク伊藤ちゃんでした……
苦手な方はごめんなさい……
ふと、考えてみて、相棒と妹が付き合うのって
結構複雑なんじゃないかなとか色々考えながら
書いてみました。
作者的にはちょっぴり切ない気がしますが、
伊藤ちゃんはきちんと応援してくれるかと……。
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Mia - 三橋と妹ちゃんのキスシーンの絵が欲しいです！ (2019年1月26日 16時) (
レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - manaさん» ありがとうございます((T_T))でも神じゃないですよ！修行中の身であります(*´-`) (2018年12月10日 22時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
mana - 神かよ…絵上手すぎじゃないですか！？ (2018年12月9日 14時) (レス) id: 9204f626b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 更紗さん» 了解です！リクエストありがとうございます(*´∀｀)続編で書かせていただきます！！ (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なーなーさん» ありがとうございます(*´∀｀)こじらせた愛な感じが私も好きなんですよね笑笑あまり書かない雰囲気なので楽しかったです(#^^#) (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月20日 21時
