無理は禁物,3 ページ44
*A-side
三人が外に出掛けたあと、
三ちゃんはずっと無言だった。
Aちゃんに触れるわけでもなく、
ただただ隣で寝顔を見つめるだけ。
その横顔は怒りで一色になってるのがすぐに分かった。
赤坂「ごめんね三ちゃん。三ちゃんも伊藤ちゃんたちと行きたかったわよね」
三橋「あ? ……あー、別にどうでもいい」
赤坂「……」
三橋「ったく……コイツは本当にどうしてこうも馬鹿なことばっかり巻き込まれるのかね」
赤坂「きっと何かあったのよ」
三橋「だとしてもだ。コイツが喧嘩に巻き込まれる理由は無ぇ」
赤坂「……」
三橋「……マジでどんだけ心配させりゃァ気がすむんだこの馬鹿チビは」
普段だったら絶対言わないであろう言葉。
……本当にAちゃんのこと大切にしてるのね。
赤坂「さてと。私は足りない包帯を買いに行くから、見ててあげてね」
三橋「ん」
三ちゃんは一度も私のほうを見なかった。
ただただAちゃんの顔だけを見つめていて、
丸まった背中はどこか寂しそうで。
赤坂「……」
ただひたすら、Aちゃんが
回復することだけを祈った。
家を出て、暫く歩いていると妙な人だかりを見つける。
どうやら警察官が何人か男たちを
捕まえてるようで、気になって私も
そっちのほうに近寄ってみた。
早川「理子さん」
赤坂「京子ちゃん、伊藤ちゃん、明美ちゃん……もしかして……」
川崎「コイツらっすね。Aをボコったのは」
伊藤「ひったくり犯をAが捕まえたんだけど、その取り返した鞄をコイツらが盗んだんだって」
赤坂「誰がそんなことを知ってたの?」
伊藤「最初のひったくり犯」
よくよく見るとチンピラたちは
すでにボロボロになっていて、
動けなくなっているみたい。
……伊藤ちゃんたちね。
手が早いこと。
伊藤「Aはまだ起きてない?」
赤坂「うん……私は包帯とか買いに来たの」
伊藤「そっか。手伝うよ」
早川「私も手伝います」
川崎「私も」
見たところ、三人は怪我をした無いみたい。
なら、Aちゃんの分だけで良いかな。
そう考えつつ、三ちゃんのことも気がかり。
……きっと目が覚めるまで付き添おうとするだろうな。
私は三人を振り返りながら、
スーパーのほうを指差した。
赤坂「良ければ、夜ご飯家で食べない?」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 471人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mia - 三橋と妹ちゃんのキスシーンの絵が欲しいです！ (2019年1月26日 16時) (
レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - manaさん» ありがとうございます((T_T))でも神じゃないですよ！修行中の身であります(*´-`) (2018年12月10日 22時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
mana - 神かよ…絵上手すぎじゃないですか！？ (2018年12月9日 14時) (レス) id: 9204f626b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 更紗さん» 了解です！リクエストありがとうございます(*´∀｀)続編で書かせていただきます！！ (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なーなーさん» ありがとうございます(*´∀｀)こじらせた愛な感じが私も好きなんですよね笑笑あまり書かない雰囲気なので楽しかったです(#^^#) (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月20日 21時
