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「渡海先生……!!」
ほぼ世良先生と声を合わせて名前を呼ぶと、
彼は少し振り返って、
その動作も全部変わらないな……。
「……なに。Aちゃんは、
人のこと誘っておいてそいつと花火見んの?」
「えっ、こ、これは……
渡海先生こそ返事してくれなかったじゃないですか……」
「返事なんて必要ないでしょ」
「ありますよっ!?」
ぐわっと反論すれば、
ふふっと口角を上げる。
やばい。
渡海先生だ。
月の初めに一回会ったけど
でも今日まさか会えるとは思ってなくて
めちゃくちゃにやけちゃう。
「世良」
「っあ、すいません! 俺邪魔ですよね?!」
「まさか」
「えっ?」
「コイツらの面倒、誰が見んの」
コイツら……?
渡海先生は顎で子供たちを差す。
「でもそれは私が」
「は? こんなガキと一緒になんか見たくねぇけど」
「この人“悪魔”の人だ!」
「A先生をいじめる人!!」
まさきくんとじゅんくんに蹴られパンチされ、
彼は抵抗するわけでもなくただやられるだけ。
隣にいる世良先生は「えっと…」と
遠慮がちに手をあげた。
「……つまり、俺を一人ここに置いて、
渡海先生たちは別の場所で見る、と」
「分かってるならとっとと場所変われよ」
「いや、待ってください!
俺もAさんに誘われたんです!!」
「どうせ誰かの穴埋めだろ?」
なぜわかった?!
渡海先生はだるそうに足を歩めて
「邪魔」と世良先生を押し退けていく。
どうすべきか分からず、
私は世良先生に頭を下げてダッシュで追いかけた。
「あ、Aさん!」
「美和ちゃん!!」
「私のことを探してるって聞いたんですけど…」
「うん! 広場の方ちょっとお願い!!」
美和ちゃんは私と渡海先生を見比べて
にんまりと笑い、手でオッケーサインを
出してくれた。
夜の病院は相変わらず不気味だけど、
前を歩くこの人がいるせいか、
なにも怖くない。
ずっと喋らずどこに行くんだろう。
仮眠室に行く道は通りすぎてるし。
「………登るか」
「え?」
「行くよ、A」
階段の前で私を振り返り、
柔らかく微笑む。
まだ夢でも見てるみたい。
「もう10分前か。急ぐぞ」
「っはい!!」
どこに行くのか、聞くのはまだいいや。
今はただ、この人の背中を見つめて追いかけていたい。
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みーこ(プロフ) - 可愛い、この二人萌える〜 (2018年10月2日 22時) (
レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - くまちゃんさん» ありがとうございます！そう言ってもらえてとてもホッとしております(*^^*) (2018年9月25日 7時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
くまちゃん(プロフ) - ドキドキが止まりませんー！ (2018年9月24日 9時) (レス) id: de2b78e93f (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ひまりさん» ひまりさん！コメントありがとうございます！！なかなか難しそうなんですね……！周りのかたはセンスがよくてちょっと背景変えるのが怖くなってきました(笑)なれてきたら変えてみようと思います！教えてくださり、ありがとうございました！ (2018年8月16日 18時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ミウさん» はじめまして(’-’*)♪コメントありがとうございます！そうなんですよね、悩みに悩んで結局白にしちゃいます笑笑 しっくりくんですよねぇー笑笑 (2018年8月16日 17時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年8月4日 11時
