situation (ページ41)

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それからというもの、向井さんとの共同生活をしていく中で、お互いのことをよく知れた気がする。

呼び方も、『向井さん』から『康二くん』へ。

康二くんも、俺を『めめ』と呼ぶようになった。

気付いたことがある。
康二くんは……体が弱い。

咳をしたり、熱があったり
ベッドに横になっていることが多い。

しかもそれは日に日に悪くなってく気がして。

色々と聞けるぐらいの
関係になれたと思うから、聞きたい。

今日もベッドで具合悪そうにしている康二くんに悪いけど話し掛ける。

「……康二くん、」

「んっ……何やめめ、ごほっ、」

「……康二くんって持病ある？毎日と言って良いほど辛そうにしてるから…何かあるのかなって」

「……ぐふっ、ごほごほっ。いや…言わなきゃあかんなとは思っとったんやけど…。

俺、実は余命宣告されてんねん」

「え………？」

余命、宣告？康二くんが？

その4文字を聞いた瞬間、俺の頭は真っ白になる。

「宣告っつうてもあれやで？何年まで生きれたら何％とか言うやつ。俺の場合は…2年で、今年で2年になるんや。今、結構ギリギリでヤバイかもしれんねん」

「………」

「信じられへんかもやけど、時間ないねん。まず〝 2年を超える〟ことが出来なきゃいけない。もしかしたら明日、いや今日死ぬかもしれへん」

儚げな瞳と、触れてしまったら二度と会えない、そんな彼になったのは病気のせいか。

急に、俺に出来ることはないかと考える。

「……俺に出来ることない？」

「んー………あっ、無理にとは言わへんよ！？言わへんから……出来るなら、付き合って、欲しい」

「………え、良いよ。
前の…告白してくれた答えってことだよね」

「…ええの？ほんまに？」

「じゃあさ、康二くんがしたいことしようよ。勿論出来る範囲で、行きたい所に行って食べたい物食べて。悔いとかないように」

俺が何かするんじゃなくて、康二くんがやる。

それに…俺も付いていくってこと。