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「いやぁー、康二作ってるんなら
俺も作れば良かった〜」
「だよなぁー。俺が一番最初に来たんだけどさ、これ貰った時は俺のこと好きなの!?ってちょっと驚いたよね」
『…………』
「…なんか言えよ!!」
恒例のふっかさんいじりから始まり、テーブルの上にチョコレートを次々と出す。
「舘さんのだけ違くない?」
佐久間君がそう言った。
…やっぱそうだ。
あの包装は間違いなく市販の方。
「……だね。けど…何かあるんでしょ、康二」
「……う、うん」
『頂きまーす!』
なんだかんだで箱を開け、
1人1人が口の中へとチョコレートを運ぶ。
「……美味い!」
「クオリティー高っ」
「お前、料理上手すぎるだろ!」
口々に美味いと言ってくれる皆。
自然と口が綻ぶ。
気になる舘さんはというと…
黙々と食べている。
「…どう?1人だけ趣旨が違った舘さんは」
「………うん。美味しいよ、ホント凄い」
…はぁー。流石の舘さんも分からない?
一件落着なんか何なのか……。
「…あ、ちょっと電話」
舘さんが立ち上がり席を立つ。
数分後、俺の携帯が鳴る。
「俺も電話来たから向こう行くね。もしもし?」
「俺だよ、涼太。
廊下に出て皆から見えない所まで来て」
まさかの舘さん。驚きながらもそれに従い、皆から逃げるように去った。
「…わっ!」
すると横から誰かに腕を掴まれ
トイレに連れ込まれる。
「…しっ。俺だから静かにして」
「!……舘さん、」
「俺のだけ、手作りじゃないでしょ。
市販の味がした」
「……実はっ、ん、」
個室のトイレに籠り何をするかと思えば、あっけらかんとそう言われ、謝ろうと口を開けばキスされる。
「…嫌がらせ?…それともわざとなの?」
「あれは……間違いで、ホントは手作り渡そうとしてたんやで?けど誤って予備の市販を渡しちゃったんや…。わざとでも嫌がらせでもない」
「……そっか。ごめん、変なこと言って。…これでも俺嫉妬するんだよ。皆に
……そう、俺と舘さんは
周りに内緒で付き合っている。
「……じゃあ間違えちゃった代わりに、
今日の夜は甘い康二を俺に頂戴?」
…………間違えちゃうのも悪くない。
なんちゃって。
だてこじEND
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らんか(プロフ) - とっても素敵なお話でした!こじ受大好きなんで、これからもたのしみにしています(^^) (2020年6月23日 21時) (レス) id: 5ad4a06cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:叶 実 . | 作者ホームページ:https://twitter.com/hokuto_koji621?s=09
作成日時:2020年6月2日 20時