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そして最後は……
「おはようございます」
「舘さん!…お、おはよう」
「おはよう、康二」
……思わずドキッとしてしまう。
優しく俺を見る瞳
心地の良く低音が効いた声。
「……チョコ、作ったんだ。…どうぞ」
「ありがとう。食べさせて貰うね」
「っ、……うん」
…ヤバい。ちゃんと顔見れへん。
ぎこちなかったよな。
周りから見て変じゃないよな。
……とりあえず、これで全員に渡し終えた。
後は感想とか貰えるのを待つだけやな。
「んー、美味い!」
そんな声がどこかから聞こえる。
俺のかな?だったらどれだけ嬉しいか。
「…………え、」
チョコレートを入れてきた袋の中を確認すると、何故か全員に渡したはずの手作りチョコレートが1つ残っていた。
そしてその代わりかと言うように、
市販の方が無くなっていた。
まさか………誰かに
間違えて渡しちゃった!?
えぇー、でもちゃんと確認した………
「あっ!」
「、どうしたの突然大きな声出して」
「いやっ……」
…舘さんに市販の方渡しちゃったかも……。
チョコ渡した時に、舘さんの時だけ顔を見れなくて俯いて渡したから…それで間違えて…。
……うわぁーー、しくじった…。
一番食べて欲しい人に市販渡すとか…。
しかも「手作り」って言っちゃったし。
……どーしよう、バレなきゃええ?
でも……うん、2人の時に渡そう。
「はい!では康二の手作り
チョコレート試食会を始めます!」
…………なんでこんな事になったんだ……。
急に阿部ちゃんに連れ出されたと思ったら、ふっかさん達8人がいて、そう叫んだ。
「やめよう?」とは言ったものの、半数以上が「やめない」派で勝ち目は無かった。
恥ずかしいけど嬉しいしやって貰う分には構わないんやけど……舘さんが…。
まだ渡せてない……。
しかも勘鋭いから既に分かってるんじゃ…。
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らんか(プロフ) - とっても素敵なお話でした!こじ受大好きなんで、これからもたのしみにしています(^^) (2020年6月23日 21時) (レス) id: 5ad4a06cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:叶 実 . | 作者ホームページ:https://twitter.com/hokuto_koji621?s=09
作成日時:2020年6月2日 20時